映画「風の谷のナウシカ」より

マンガの描き方

マンガ演出|巨大感の出し方ーおそらく最強のテクニックはコレ!

投稿日:2015年12月26日 更新日:

巨大ロボを大きく見せたり、キャラクターの背の高さを表現したり、建物の大きさを表現したり…いかにして「巨大感」「スケール感」を表現するかというのはなかなか難しいテーマですね。特に、効果音やスローモーションが使えないマンガでは、難しい…。

アオリの構図にすればいいとか、遠近法がどうのこうのとか…いろいろな方法がありますが、そういった小手先のテクニックよりも、もっと効果的で、個人的に最強だと思っている、巨大感の出し方を紹介したいと思います。

特撮やアニメでよく使われている手法ですが、マンガでも使えます。実例として思いつくのは「未来少年コナン」と「宇宙戦艦ヤマト」のワンシーンです。

実例1「宇宙戦艦ヤマト」

「宇宙戦艦ヤマト」(ファーストシリーズ)第3話「ヤマト発進!!29万6千光年への挑戦!!」のワンシーンです。沖田艦長が、ヤマトの波動砲発射口を紹介している場面です。3人が発射口に立っています。↓

発射口に立つ3人

TVアニメ「宇宙戦艦ヤマト」(1st)第3話より―発射口に立つ3人

ズームアウト

TVアニメ「宇宙戦艦ヤマト」(1st)第3話より―ズームアウト

ズームアウトして、ヤマトの全体が見える

TVアニメ「宇宙戦艦ヤマト」(1st)第3話より―ズームアウトして、ヤマトの全体が見える

「波動砲の発射口に人間が立っている構図→ズームアウト→ヤマトの全体」という演出になっています。人間の大きさとヤマトを比較することで、波動砲の発射口や、ヤマト全体の大きさが伝わるというわけです。

つまり、よく知っているもの(人間の背丈)と比較することで巨大感を出すということです。釣った魚と一緒に自分の顔を撮影することで、大きさが感じられるというのと同じですね。

実例2「未来少年コナン」

こちらは人間ではなく、他の飛行機との比較です。以下は、アニメ「未来少年コナン」第24話「ギガント」のワンシーンです。

「未来少年コナン」(NHK)第24話より

「未来少年コナン」(NHK)第24話より

「未来少年コナン」(NHK)第24話より

「未来少年コナン」(NHK)第24話より

巨大戦艦ギガントが発進するシーンで、ギガントをを様々な角度で捕らえているわけですが、どのカットも、黄色い小型飛行艇「ファルコ」が横切ります。このシーンまで視聴してきた人は、この「ファルコ」の大きさが大体わかるので、ファルコと比べてこんなに大きい!ということが一目で伝わるわけです。

実例3「風の谷のナウシカ」

この回の絵コンテを担当した、かの宮崎駿はこの方法をよく用いていて、「風の谷のナウシカ」でも、同様の演出があります↓

オームとナウシカの比較

「風の谷のナウシカ」より―オームとナウシカの比較

巨大な蟲「オーム」の初登場シーンです。ナウシカやユパ様が一緒に画面に入ることで、大きさが伝わるようになっています。このように、巨大なキャラ等の初登場シーンで、きちんとそのデカさを伝えることが基本だということですね。大きさが曖昧なまま話が進んじゃうのは、なるべく避けたほうがいいでしょう。

比較するときは同じ距離感で

比較をするときに重要になってくるのが、カメラからの距離です。またナウシカとオームを比較する場合を例に取ります。ここではユパも比較になっていますが、それは別として、ナウシカについてのみ考えます↓

構図1(同じ距離感)

「風の谷のナウシカ」より―構図1(同じ距離感)

構図2(ナウシカが手前でオームが遠い)

「風の谷のナウシカ」より―構図2(ナウシカが手前でオームが遠い)

構図1だと、ナウシカとオームが並んでいて、カメラからの距離がだいたい同じです。これなら大きさの比較ができるんですが、構図2だと、ナウシカが手前に近づいちゃっているので、比較しにくくなります。「比較」して大きさを出すためには、構図1のように、オームもナウシカも、カメラから同じような距離に置く必要がありますね。

アニメだと、このシーンのように、同じ距離感→ナウシカが手前に接近。という演出ができますが、静止画で見せるマンガでは、こういうやり方はやりにくいと思います。(できなくはない)マンガでは特に、距離感に注意が必要でしょう。

特撮の常套手段

そもそも、こういう演出は、特撮がルーツだと思います。ゴジラにしてもウルトラマンにしても、ビル等と一緒に映るから大きく見える。スターウォーズ(エピソード4)の冒頭でも、小さい宇宙船と比較するから、続いて登場する「スターデストロイヤー」が、でかく見える。「比較」は、大きさを演出する基本なんでしょうね。

小ささの表現にも使える

このように、比較することでスケール感を出す方法ですが、いうまでもなく、小ささを表現するのにも使えます。

「借りぐらしのアリエッティ」等の小人モノでよくある方法ですが、コップとかティッシュ箱とか、身近な小さいものと比べることで、小人の小ささが伝わるというやつです。小さい虫と1円玉を並べて撮影することと同じですね。

強さの表現にも使える

「比較」はキャラの「強さ」を表現するのにもよく使われますよね。「七武海」より強いとか、「天津飯」が負けるほどの強さだとか…強豪チームに勝ったことがあるとか…挙げるとキリがないですね。

「比較」は最強の方法

今回取り上げた演出方法は、まとめると、以下のようになると思います。

既に読者が知っているものと比較することで、大きさ、小ささ、強さ等を表現する

アニメや特撮では他にも、重厚感のある効果音を使ったり、ゆっくりした動き等で巨大感を出せるわけですが、マンガでは、まず無理でしょう。マンガでも使えるような巨大感の出し方としては、ここで考えている「比較」が最強だと思います。

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