マンガ「HUNTER×HUNTER」25巻より

マンガの描き方

マンガの心理描写に、小説の「地の文」の技術が大切だという話

投稿日:2016年6月12日 更新日:

「マンガは心理描写が大切!」とよく言われます。

しかし「心理描写」って一体何なんでしょう?それについては、「小説の心理描写」がカギを握っていると思うんです。

この記事では「HUNTER×HUNTER」を例に、小説っぽい心理描写をマンガに取り入れることを考えてみたいと思います。

HUNTER×HUNTER カラー版 25 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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HUNTER×HUNTERの心理描写

アニメ版HUNTER×HUNTERについて、「ナレーションが多すぎる」「セリフだけで話を進めろ」と、ネット上で叩かれたことがあるみたいです。

マンガ版だと25巻のあたりですね。

富樫義博「HUNTER×HUNTER」カラー版25巻より―地の文を使った心理描写

キャラのセリフでも心の声でもない、ナレーションみたいな文章が、たくさんあります。アニメだとナレーションだと思いますが、マンガでは「地の文」だと思います。

「地の文」というのは、小説の「セリフじゃない文章」のことですね。情景を描写したり、登場人物の内面を描く部分です。つまり、小説の心理描写の要ですね。

小説はこの「地の文」を使って、キャラクターの内面をかなり自由に表現できます。それで小説は「心理描写」という面で、アニメとか実写映画とか演劇など他の表現手段よりも優れているといわれています。

マンガは、小説と同じ「文字で語る」ジャンルですから、こういう小説の強みを違和感なく吸収できると思います。

一方、アニメにすると違和感がある。アニメは、音声や音楽、効果音などの「音で語る」ジャンルなので、小説の技法は取り入れにくいわけです。

ですから、マンガの心理描写を考える上で、小説の「地の文」の技術はとても重要…アニメでは不可能な、「マンガならでは」の演出をする上で、とても重要なんじゃないでしょうか。

マンガで使われる地の文―三人称を使おう!

地の文にはいくつか種類がありますが、マンガでよく使われるのは次の2種類ですね。

  • 一人称(例文:私はその道を歩いていった)
  • 三人称(例文:ゴンはその道を歩いていった)

マンガに使われる「一人称の地の文」

一人称の地の文は、マンガでは、かなりの頻度で使われますね。キャラの「心の声」のセリフがそうです。以下のような形ですね。

富樫義博「HUNTER×HUNTER」カラー版25巻より―1人称の地の文

富樫義博「HUNTER×HUNTER」カラー版25巻より―1人称の地の文

フキダシが無かったり、右側のような「心の声のフキダシ」を使ったりと、色々な形で、頻繁に使われる方法ですね。むしろ使われすぎるぐらいだと思います。

一人称の地の文は、小説では少数派のようです。というのも、一人称だと色々と不自由なことがあるからです―参考:「ワタシトノベル|一人称小説の難しさ

それで、小説の世界では三人称の方が主流のようです。

マンガの演出として一人称しか使っていない場合は、三人称も使いこなせるようになれば、漫画家として一皮むけられるような気がします。

マンガに使われる「三人称の地の文」

三人称の地の文は、マンガでも時々使われます。

最初に取り上げたHUNTER×HUNTERの例がそうですね。どのキャラの目線でもなく客観的に、ある意味、作者の言葉みたいな感じです。

これなら「このときゴンは、こう考えた」とか「こういう気持ちだった」ということをストレートに表現できます。

一人称で表現しようとすると、クサくなったり、説明的になったりするところを、三人称なら自然に、かつわかりやすく表現できます。

三人称の地の文が、マンガで使われる頻度は少ないと思いますが、上手い漫画家はたいてい「ここぞ」ってところにうまく使っています―例:「カイジ」の福本伸行。「キングダム」の原泰久など。

ぜひ、この「三人称の地の文」も使いこなせるようになりたいものです。

小説がうまい漫画家がいたら最強だと思う

まとめとして、とにかくマンガの心理描写がうまくなりたかったら小説の心理描写を学んだらいいんじゃないか?と思うわけです。

とくに今回考えた「三人称の地の文」で、うまく心理描写できるようになったら、そうとうな武器になるでしょうね。

今回取り上げた作品

HUNTER×HUNTER カラー版 25 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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