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「メクリとヒキ」はマンガのコマ割りの基本ですね。この記事では、「メクリとヒキ」とは何か?その役割や重要性についてまとめます。そして、スマホ・タブレット時代に「メクリとヒキ」がどう変わるか?つまり、デジタル時代のコマ割りについても書いています。
「メクリとヒキ」とは?
「メクリとヒキ」とは、ページをめくる前の最後のコマと、ページをめくった後の最初のコマのことです。
以下の図に示した、赤と青で塗ったコマのことです。
この2つのコマは、マンガの演出上かなり重要です。
どっちを「メクリ」と呼び、「ヒキ」と呼ぶのかは定まっていないようです。
このテクニック全体を「メクリ」と呼ぶ場合もあります。この記事では「メクリとヒキ」とひとくくりにしています。
細かい定義はともかく、「メクリとヒキ」の役割について考えます。
「メクリとヒキ」の役割
コマを隠す
マンガは1ページに複数のコマが表示されています。
紙のマンガだと、2ページ分の複数のコマが、ある程度に目に入ってきます。
ですから工夫しないと、先のコマがちょっと見えちゃって、ネタバレする可能性があるということです。
特に、大きいコマや、衝撃的な画のコマ等は、つい先に見てしまいます。
見えないようにするには、次のページに隠すしかありません。
このように、隠したいコマを隠すために、「メクリとヒキ」の演出が使われるわけです。
次のページへの「タメ」
ページをめくる前の最後のコマには、大きく分けて2つの目的があります。
1つめの目的は、ページをめくった後のコマを強調するための「タメ」です。
衝撃的な展開を「予感」させるなどして、ページをめくった後のコマを盛り上げるわけです。
ページをめくらせる
2つめの目的は、読者がページをめくりたい気持ちにさせるということです。
ページの切れ目は、ちょうど読者が読むのをやめる可能性が高い箇所ですね。
ページの最後のコマに、続きが気になるようなコマを置くことで、読者がページをめくりたくなって、最後まで読んでもらえるようになるわけです。
かとうひろし著「マンガのマンガ―初心者のためのマンガの描き方ガイド―コマ割りの基礎編」でも、以下のように説明されています。
マンガのマンガ 初心者のためのマンガの描き方ガイド コマ割りの基礎編
デジタルのマンガにおける「メクリとヒキ」
見開きで読まない人が多い
スマホやタブレットでマンガを読む時代にも、もちろん「メクリとヒキ」が重要です。
ただし、「見開き」について注意が必要です。
スマホやタブレットでマンガを読む場合、「見開き」で読むか、1ページづつ読むかを選ぶことができるからです。
1ページづつ表示したほうが大きく表示されて読みやすいので、「見開き」で読む人のほうが少ないかもしれません。
両立可能なコマ割り
ですから、デジタルで読むマンガの場合、1ページずつでも見開きでも読めるような、両立可能なコマ割りにする必要があります。
見開きでも読めるように、基本的には紙のマンガと同じように「メクリとヒキ」を考えます。特に、「次のページに隠す」コマは、今まで通り、見開きで読んでもちゃんと隠れるようにする必要があります。
しかし、「次のページへのタメ」や「ページをめくらせる」ためのコマは、1ページごとに配置したほうがいいでしょう。
余談ですが、2ページにまたがるようなコマ割りは避けたほうがいいと思います。
まとめ
「メクリとヒキ」の重要性は以下の通りです。
- 次のページにコマを隠すため
- 次のページへの「タメ」
- ページをめくらせるため
Webマンガ等、スマホやタブレットで読むマンガにおける「メクリとヒキ」の注意点は以下の通りです。
- 「次のページへのタメ」や「ページをめくらせるため」のコマは、1ページごとに配置する