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島本和彦のマンガ「アオイホノオ」(小学館)には、マンガ家の心得が学べる名言がたくさん登場しますね!島本先生のマンガ家マンガは、ギャグ台詞の裏に深い意味が込められています。この記事では、そんな「アオイホノオ」の名言を集めて分析してみました。
質にこだわりすぎるとダメ
質とか内容で勝とうと思ったことは一切ありません!それよりもスピードとジャンプ力!
―出典:島本和彦「アオイホノオ」(小学館)15巻より
理想が高すぎたり、こだわりが強すぎると、だんだん作品を描き上げることが難しくなってしまいます。「質とか内容で勝とう!」なんて、それができると思っちゃう時点で、すごく自己評価が高すぎますよね。
「もっと面白いマンガは沢山あるけど、俺のマンガもまあまあ面白いと思う」…ぐらいの自己評価がちょうどいいでしょう。ホノオ君も、ちょうどいい自己評価ができているので、質よりも「スピードとジャンプ力」を重視しなければならない!と認めているわけですね。
「スピードとジャンプ力」という言葉から、「時間をかけたからって、良いものができるとは限らない!」「時間をかけすぎて作品の発表が遅くなるよりは、作品を仕上げ、発表し続けることが大切だ!」…そんなメッセージを感じます。
自分の得意なことで勝負するべき
いや!!しかし…どちらにしろ知らんものは描けんっ!!
―出典:島本和彦「アオイホノオ」(小学館)14巻より
ホノオ君は、「自分にはよくわからない大人の世界」を、自分より年下のマンガ家が描いているのを見て、微妙に焦りを感じています。でも、結論としてこの台詞を心の中で叫ぶわけです。
マンガ家は「自分の知っているもの」しか描けない!その点をわきまえ、むしろ「知っているもの」でこそ勝負するべき!そういう心得を読み取ることができますね。
つまり、自分の得意なことについて描くなど、作品に自分を反映させて描くべきだということです。
作者の人格は作品に影響する
こういう……人情的にグッとくる話など…俺には描くことが…不可能!!
なぜなら俺は…人情的にグッとくる人間ではない!チャランポランな学生だからだ!!
―出典:島本和彦「アオイホノオ」(小学館)16巻より
ホノオ君が「人情的にグッとくる」マンガを読んだときに言った台詞ですね。
「このマンガと比べたら、自分のマンガはなんてくだらないんだ…」「こんなマンガが描きたい!」「このマンガに寄せようかな…」良い作品を読むと、そんな気持ちになることがありますが、ホノオ君はちょっと違いますね。
ホノオ君は、結局のところ、マンガに自分の人間性を反映させて描くことが最善だと知っているんだと思います。
「作品と作者の人格は別」という話は関係ない
よく「作品と作者の人格は別」と言いますが、あれは、そもそも論点が違うと思います。
作品を否定されたときに、「作品が否定されただけで、人格を否定されたわけではない」と自分に言い聞かせるとか、逆に、不祥事などで、作者の人格の悪い面がニュースになったときに「作者の人格はダメだけど、作品は良い」と切り分けるときに使われます。
ですから、作品の作り方の話じゃないので、関係ありません。
作品に自分の人格を反映させるべき
島本和彦マンガには、島本先生自身の熱血キャラがふんだんに反映されていると思います。だからこそ面白い。
世の中の名作は、少なからず、作者の人格や、人生を反映しているといわれています。そうやって自分をにじみ出させることが、良い作品を作る秘訣なんでしょうね。
作画の手間も考えるべき
背伸びをするな……俺…!!
―出典:島本和彦「アオイホノオ」(小学館)18巻より
ホノオ君の連載が決まって、どんな絵柄で描こうかと悩んでいる場面ですね。
ホノオ君は、背伸びをして池上遼一みたいな絵柄を目指すのではなく、自分の描きやすい絵柄で勝負しようと考えているわけです。芸術家ではなく仕事としてマンガ家を捉えれば、かなり重要な考え方ですね。
複雑な構図や、時間のかかる緻密な画を使って描くのもいいですが、それで体を壊したり、休載しがちになったらダメだ!という考え方です。それよりは、なるべくシンプルな絵柄で勝負したほうがいいという…サボっているようで、実はとても賢い選択でしょう。
時間をかけて描いたからといって、作品の質が高くなり、面白くなるとは限りません。時間をかけて画を描きたい!というのは結局、自分は画がうまいと思っている作者の自己顕示にすぎないのかもしれませんね。
まとめ
この記事で取り上げた「アオイホノオ」の名言から学べる、マンガ家の心得は以下のとおりです。
- 作品の質にこだわりすぎるとダメ。作品を仕上げることの方が大切
- 自分の知っているもので勝負すべき
- 自分の人格を作品に反映させたほうが、良い作品ができる
- 自分の描きやすい絵柄で勝負することが重要