イラスト・マンガ制作におすすめのスキャナー7選|種類と選び方

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イラストやマンガ制作では、スキャナーを使う場面が多くあります。スキャナーにもさまざまなタイプがありますが、イラスト・マンガ制作に向いているのはどれなのでしょうか?スキャナーの選び方と、おすすめのスキャナーについてまとめました。

マンガ・イラスト用ならどれ?スキャナーの種類

まずは前提として、主なスキャナーの種類を紹介します。

マンガ・イラストなどのグラフィック系の用途に使用するスキャナーは「フラットベッド」タイプが一般的ですが、比較のために、他の種類についても知っておきましょう。

フラットベッドスキャナー

フラットベッドスキャナーは、通常のコピー機のようにして、原稿を寝かせて挟み、1枚ずつスキャンするタイプです。ちなみに「フラットヘッド」ではなく「フラットベッド」が正解です。

原稿がずれたり歪んだりしにくいので、イラストやマンガ制作などのように、画質重視できれいにスキャンすることが重要な場合に向いています。

「CIS方式」と「CCD方式」

フラットベッドスキャナーは、CIS方式(Contact Image Sensor)と CCD方式(Charge Coupled Devices)の2種類があるという点も、選ぶために重要なポイントです。

CCD方式の方が、カラーの画質が良いのでイラスト用に適しています。スキャンスピードが速いという点も長所です。ただしCIS方式と比べると高価で、ボディも大きくなります。

CIS方式は薄くて省電力なタイプが多く、USB接続だけで動くものが多くあります。価格も安いので手を出しやすいタイプですが、カラーの画質が落ちるのがデメリットです。

白黒マンガのスキャンなど、カラーの画質が関係ない場合は、CIS方式でも十分使えるでしょう。

シートフィードスキャナー

シートフィードスキャナーは、自動で原稿を次々と取り込んで、大量の書類を一気にスキャンできるタイプです。「ドキュメントスキャナー」とも呼ばれるとおり、大量の書類を一気にスキャンするのに適しています。

イラストに使用すると、歪んだり斜めになったりすることがあり、やはり画質面で劣るのがデメリットです。

マンガの原稿の下描きを大量にスキャンするときなど、画質よりも効率を重視したい場合は便利といえます。

オーバーヘッドスキャナー

オーバーヘッドスキャナーは、「ブックスキャナー」や「スタンドスキャナー」とも呼ばれます。見た目が机に置くスタンドライトのようで、テーブル上に置いたものを上から写真撮影するようにしてスキャンします。

分厚い本を開いてそのままスキャンしたり、貴重な資料などを一切触らずにスキャンしたりできる「非接触」という点がメリットのスキャナーです。

絵の具が柔らかい油絵などもスキャンできるという意味では、イラスト用として使われることもあるでしょう。

ただしカメラが固定であるために、仕上がりに歪みなどがある場合があり、画質面ではフラットベッドスキャナーに若干劣る面があります。

ハンディスキャナー

ハンディスキャナーはかなり小型のスキャナーで、手で持って、原稿の上をスライドさせてスキャンします。

きれいにスキャンするにはコツが必要で、歪んだりなどの失敗をしやすいタイプです。安くて持ち運びに便利という点だけが取り柄という感じですね。

マンガ・イラスト用のスキャナーの選び方

ではスキャナーの種類を把握したうえで、実際にどのようにスキャナーを選べばよいのでしょうか。

イラスト・マンガのスキャンの場合、文字などの書類をスキャンするよりも画質が重要ですが、画質にも2種類あります。それは「色の質」と「解像度の高さ」です。

カラー作品のスキャンは「色」を重視

彩色済みのカラーイラストなど、カラー作品をスキャンする場合は「色」の画質が重要です。

色の質を重視するには、フラッドベッドスキャナーの中でも、「CCD方式」を採用したモデルが適しています。

CCD方式のスキャナーは、写真のフィルムもスキャンできるなど、高機能で高価なものが多いです。

線画・ペン入れのスキャンは「解像度」を重視

線画だけスキャンするとか、下描きだけ描いたものを取り込むなど、色の画質が関係ない場合、スキャンの「解像度」が高ければ問題ないでしょう。

解像度は「dpi」という単位の数値で表現され、数値が高いほど高性能です。目安として「1200dpi」もあれば、印刷用の白黒マンガ原稿を含め、ほとんどの利用シーンで十分な威力を発揮します。

前述の高価な「CCD方式」のモデルは、色の質だけでなく解像度も高いものがほとんどですが、安価な「CIS方式」でも、色の質は落ちるとしても解像度は同じぐらい高いものが多くあります。

特にマンガ原稿用紙をスキャンする場合、A3対応の大型モデルが必要ですが、A3対応でかつCCD方式のスキャナーは、業務用の高額なものばかりになってしまいます。

A3対応でもCIS方式ならリーズナブルな価格で買えますし、白黒マンガなら十分な性能を発揮できるでしょう。

A3対応のモデルについては「マンガ原稿用紙なら A3対応モデル」の項目を参照してください。

フラットベッドスキャナーのおすすめ

まず紹介するのは、イラスト・マンガのスキャン用として一般的な、フラットベッドスキャナーのおすすめモデルです。「CIS方式」と「CCD方式」に分けてまとめています。

線画スキャンなら CISモデル

線画スキャンなど、カラーの画質が関係ない場合には、コスパ良好のCIS方式もおすすめです。

スキャナーといえば、エプソンかキャノンが有名ですね。この2社のCISモデルをそれぞれ紹介します。

エプソン GT-S660

CIS方式を採用しているため省電力なので、USB接続だけで使えます。薄型なので、省スペースという点も魅力ですね。

解像度も「4800dpi」まで対応できるので、申し分のない性能です。

立てた状態にできるスタンドつきで、立てたままスキャンすることもでき、かなり省スペースに使えます。

キャノン CanoScan LiDE 400

こちらは前述のエプソンの製品とほぼ同スペックの同等品です。同じようにUSBで使えて、立ててスキャン可能、4800dpiの解像度です。

数値上のスペックはほとんど違いがないため、どっちを選ぶかはメーカーの好みや外見、その時の価格などによるでしょう。

カラー作品なら CCDモデル

カラー作品なら、色の画質にこだわったCCDモデルがおすすめです。

線画スキャンの場合でも、さらに高い画質を求めるならばCCDモデルが安心でしょう。スキャンスピードが速いので、作業効率が改善するという点でも利点があります。

エプソン GT-X830

CCD方式のスキャナーとなると、高価なハイエンドモデルしかないメーカーもありますが、エプソンは中ぐらいの価格帯のミドルレンジモデルを出しています。それがこの GT-X830 です。

3万円前後というCCDモデルとしてはリーズナブルな価格帯なので、イラスト用として優れたコスパを発揮してくれます。

こちらはCCD方式のハイエンドモデルで、キャノンの個人向けスキャナーとしては最高レベルの画質を誇っています。

写真のフィルムスキャンの性能がかなり高く、カラーイラストのスキャン用としても、最高レベルの画質を利用できるという安心感をもって使えますね。

マンガ原稿用紙なら A3対応モデル

マンガの原稿用紙はB4が基本なので、原稿用紙に描いた線などをスキャンしたい場合、それよりも大きいA3対応のモデルを選ぶ必要があります。ちなみにB4のスキャナーは基本的に存在しません。

サンワダイレクト 400-SCN057

A3対応のスキャナーというと、高額な業務用ばかりになってしまいますが、サンワダイレクトのA3スキャナーは、リーズナブルな価格で有名です。

安さの理由はCIS方式という点でしょう。カラーのスキャンをするなら性能に不安がありますが、1200dpiの解像度まで対応しているので、線画スキャンなら十分なスペックだといえます。

エプソン DS-50000

個人向けのA3スキャナーの選択肢はとにかく少ないですが、エプソンはかろうじて1つだけラインナップがありますので紹介します。

コチラはA3対応で、かつCCD方式の高性能モデルです。15万円近くする高級モデルですが、CCD方式+A3対応となると、どうしても高くなるのは仕方ありません。

価格の折り合いがつかない場合は、前述のサンワダイレクトのスキャナーがいいでしょう。

シートフィードスキャナーのおすすめ

原稿を自動的に取り込んでくれるシートフィードスキャナーはイラスト用で使用されることは少ないですが、マンガなどの大量のページを効率的に読み取るために使用したいというニーズはあるでしょう。

とはいえ歪んだり、斜めになったりしやすいので、下描きなどのラフな絵をスキャンするなどの場合に限られます。ペン入れした線など、品質が重要なスキャンなら、やはりフラットベッドスキャナーが無難です。

下描きスキャンなら 個人向けモデル

マンガの原稿用紙を読み取るには前述のとおり、A3サイズ対応でないとダメですが、A3のシートフィードスキャナーとなると、業務用の高価で大型のスキャナーがほとんどです。

A4までのサイズなら、個人向けでさまざまなモデルが販売されています。

富士通 ScanSnap iX1600

シートフィードスキャナーといえばこの ScanSnap「スキャンスナップ」というぐらい有名なモデルですね。

最大サイズは基本的にA4までです。A3をスキャンするためのキットもありますが、スキャンする際に、原稿を折りたたむ必要があるので、イラスト・マンガ用としては無理があります。

A4サイズに描いた大量の下描きを一気にスキャンして、デジタルでペン入れ以降を仕上げるという使い方にはぴったりです。

まとめ

イラスト・マンガをスキャンするのにおすすめのスキャナーの種類は、用途によって、以下のようにまとめられます。

  • カラー作品なら「CCD方式のフラットベッドスキャナー」
  • マンガ原稿をスキャンするなら「A3対応のフラットベッドスキャナー」
  • マンガの下描きを大量スキャンするなら「シートフィードスキャナー」でも可