デジタル作画の方法

マンガ・イラスト用のモニターの選び方+2020のおすすめ2選

デスクトップPCを使ってイラストやマンガを描くには、適切なモニター(ディスプレイ)が不可欠です。どういうモニターを選べばよいのか、マンガ・イラスト用に適したモニターの選び方と、2020年のおすすめモデルを紹介します。

マンガ・イラスト用モニターに必須の機能

マンガ・イラスト用のモニターは、性能にこだわるべきです。モニターの良し悪しが、作業効率だけでなく、作品の質にも関係してきます。

基本的にモニターのサイズをよく選ぶ必要がありますが、カラー作品を描く場合は、も重要なポイントです。モニター選びに重要なポイントを5つ解説します。

適切な画面サイズ

マンガ・イラスト用のモニターは、大きい方が作業しやすくなります。小さい画面では細かい部分が描き込みしにくくなり、いちいち拡大縮小する手間が増えてしまうからです。

ただし大きいほど価格も上がりますし、大きすぎると逆に見にくく、場所をとって不便ということもあるので、適度な大きさを選びましょう。24インチ前後あたりが一般的です。

色の正確さ(発色の良さ)

色の正確性は、カラーのイラストやマンガを描くためにかなり重要な要素です。

全体に赤っぽいとか、黄色っぽいなど、色に偏りがあるようなモニターで絵を描くと、作品全体の色が変になってしまいます。

発色の悪いモニターでも、設定を調整すればある程度は改善できますが、できれば発色の良い、色が正確なモニターを選んだほうがいいでしょう。

発色の良さの基本となるのは「パネルの種類」です。主な3種類のパネルのうち、発色が良いのは「IPSパネル」とされています。詳しくは下記の「モニターパネルの種類を知っておく」の項目を参照してください。

発色はメーカーにもよりますので、なるべく発色の良さに定評のあるメーカーを選ぶことが大切です。モニターの発色が良くて有名なメーカーは EIZO(エイゾー)などでしょう。

視野角が広いこと

液晶モニターは、見る角度によって、少し色が変わってみえることがありますね。これは「視野角」と関係があります。

視野角とは、画面の色などが正しく見える範囲の大きさです。視野角が広いモニターは、色が正確に見える角度が広いので、モニターを見る角度を多少変えても、色がほとんど変わりません。

逆に視野角が狭いモニターは、見る角度が少し違うだけで、色の見え方がかなり変わってしまいます。例えば「猫背で描いた時と、背筋を伸ばして描いた時で、色が違う!」という事態が起こりやすいのです。

カラーの絵を描くためのモニターは、なるべく「視野角」が広いものを選びましょう。この点もパネルの種類によって異なりますので、詳しくは下記の「モニターパネルの種類を知っておく」の項目を参照してください。

反射しないこと(非光沢)

絵を描くためには、非光沢(ノングレア・アンチグレア)のモニターが適しています。

ぴかぴかした光沢(グレア)ディスプレイだと、画面に部屋の窓や照明、自分の顔などが映り込んで、色の見え方が変わってしまう恐れがあるからです。

つまり顔の角度や部屋の配置、時間帯などが変わるだけで、色が違って見えてしまうことになりかねません。非光沢のディスプレイなら、そのような現象を防止できます。

必須ではないが、あるとベターな機能

必須ではありませんが、色に関する機能で、あるとさらに良いというものを紹介します。WEB上で公開するだけのイラストや、白黒マンガでは関係ない機能です。

カラーマネジメント対応

カラーマネジメント対応のモニターなら、色の正確性をさらに向上できます。

カラーマネジメントとは、モニターの色が正しく表示されるように調整することです。「カラーキャリブレータ―」という機器を画面に貼ったりして行います。

モニター自体がカラーマネジメントに対応していなくても、カラーキャリブレータ―を買えば、ある程度はカラーマネジメントが可能です。とはいえ、モニターのスペックが低いと限界があります。

カラーマネジメント対応のモニターなら、カラーマネジメント用の専用ソフトが付属していて安心ですし、モニターそのもののスペックが高いので、高品質な調整ができます。

Adobe RGB対応

これは、イラストを「高機能のプリンター」で印刷する場合にあるとよい機能です。印刷しないなら不要で、「Adobe RGB」に対応していないプリンターで印刷する場合も不要です。

「Adobe RGB」とは、使える色の範囲(色域)の名称で、一般的な「sRGB」よりも使える色の範囲が広く、高度なカラー表現ができます。

多くのイラストソフトはこの「Adobe RGB」に対応していますから、モニターも「Adobe RGB」対応なら、ソフトの威力を最大限に発揮できるわけです。

とはいえプリンターやモニターのほとんどは「sRGB」が主流ですから、せっかく「Adobe RGB」対応のソフトとモニターでイラストを作画しても、プリンターや、見る人のモニターが「sRGB」だと意味がなく、逆に作画の時と色が変わってしまうわけです。

ちなみに「Adobe RGB」対応のモニターは、設定を変えれば「sRGB」で表示することもできるので、どっちにも対応できます。

その他、モニターに関する基礎知識

モニターを選んでいると色々な用語が出てきますが、マンガ・イラスト用に必要なのは既に紹介した4つの点だけです。

そのため、次に紹介する用語は、マンガ・イラスト用のモニター選びでは、あまり気にする必要がないポイントですが、モニターに関する基礎知識として知っておくと、変に悩まないために役立つと思います。

解像度・画素数とは

モニターのスペックに関する「解像度」とは、画素(ドット)の行数と列数で表現されます。例えば「1920×1080」の解像度なら、画面上の画素が「1920列×1080行」並んでいるということですね。

つまりモニターの大きさを表す言葉ではありません。同じ解像度でも、小さい画面もあれば、大きい画面もあります。

解像度が高いほど、画素(ドット)が細かいとも限りません。同じ解像度で画面が大きいほどドットが荒くなりますし、逆に画面が小さいほどドットも細かくなるわけです。

フルHDと呼ばれる「1920×1080」以上の解像度であればモニターとして十分の性能ですが、現在ではほとんどのモニターがこの条件を満たしています。

とにかく画面が小さいとマンガ・イラスト用として作業しにくくなりますので、解像度よりも画面の大きさに注目しましょう。

接続端子とは

モニターを使うには、パソコンと接続する必要がありますが、繋ぐ方法はいくつかあります。主な接続端子の種類は、以下のとおりです。

  • HDMI
  • DisplayPort
  • DVI

購入するモニターに、自分のパソコンに対応する接続端子があるかどうかを確認して購入しましょう。一般的に使用されるのは「HDMI」端子で、ほとんどのモニターやパソコンについています。

万が一、欲しいモニターが決まったのに、自分のパソコンと対応する端子がないという場合は、アダプタで対応することも可能です。

応答速度とは

モニターの応答速度は、動画やゲームなどで使う場合に重要なスペックですので、マンガ・イラスト用としてはあまり関係ありません。

応答速度とは、大まかにいうと画面の表示を切り替えるのに要する時間で、動画のなめらかさに影響するスペックです。スペック上では、画面の色を「黒→白→黒」と変えるまでにかかる時間が記載されています。

応答速度が速いモニターほど、動画やゲームの表示が滑らかでレスポンスも速くなるということです。

コントラスト比とは

コントラスト比が高いモニターほど、画面がくっきりと表示されますが、マンガ・イラスト用のモニターについてはあまり重要視されない項目です。

コントラスト比とは、モニターの一番明るい状態(最大輝度)と、一番暗い状態(最小輝度)の差を表す比です。例えば「1000:1」のコントラスト比のモニターは、一番暗い状態を「1」とすると、一番明るい状態の輝度はその1000倍ということになります。

イラストにおいては、コントラスト比が高いほど、ハイライト部分と影の部分の差を大きく表示することが可能です。

とはいえコントラスト比があまりにも高いモニターで作画したイラストを、一般的なコントラスト比のモニターで表示すると違って見えてしまいますし、印刷で再現できなくなってしまいます。それで、あまりコントラスト比を高くしない状態で作画したほうが無難です。

つまりマンガ・イラスト用のモニターは、コントラスト比の性能が高い必要はないので、一般的な「1000:1」程度で十分です。

モニターパネルの種類を知っておく

マンガ・イラスト用のモニターとしては、既に紹介した4つの必須機能を満たすことが重要ですが、どのモニターがその機能を持っているのかを知るために、「パネルの種類」を知っておくと役立ちます。

次の3つの種類のうち、マンガ・イラスト用に適しているのは「IPS方式」のパネルです。

TN方式

TN方式は、「Twisted Nematic」の略で、日本語で「ねじれネマティック方式」とも呼ばれるパネルです。応答速度が速いため、ゲーム用として人気のパネル方式です。

比較的安価で、スマホやノートパソコンなどによく使用されているタイプですが、視野角が狭いため、マンガ・イラスト用には不向きです。

VA方式

VA方式は、「Vertical Alignment」の略です。バックライトの光を遮断できるので、TN方式よりも黒色を濃く表示でき、コントラスト比が高いという特徴があります。応答速度はTN方式とほぼ同じです。

TN形式と同じように視野角が狭くなる傾向にありますが、「配向分割技術」などの工夫によって、視野角が広いタイプが多くあります。

つまりTN方式よりはマンガ・イラストに向いていますが、IPS方式と比べると発色の良さや視野角の広さで劣ります。値段も中間です。

IPS方式

IPS方式は、「In Plane Switching」の略です。視野角が最も広く、発色も良いので、マンガ・イラスト用のスタンダードとして多くのプロに使用されているパネルです。

デメリットは、価格が高いことと、応答速度が遅いことです。そのため、ゲーム用としてはあまり使用されません。動画ではなく静止画を扱う業界でよく使用されていて、医療現場などでも使われるほど、発色の良さに定評があるパネルです。

マンガ・イラスト用おすすめモニター

では最後に、マンガ・イラスト用におすすめの、この記事で紹介した必須条件を満たしているモニターを2つ紹介します。

EIZO FlexScan EV2451

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EIZO(エイゾー)は発色の良さに定評のあるメーカーですね。

さまざまな種類のモニターを販売していますが、この記事で必須として紹介した4つの条件を満たしている製品のうち、スタンダードモデルの「FlexScan」シリーズからは、この「EV2451」がおすすめです。

24インチ前後・IPSパネル・アンチグレアという基本条件を満たしつつ、縁がほとんどない4辺フレームレスタイプで、マルチモニターにも適しています。

高さ調節もしやすくなっているので、イラストが描きやすい角度に調整できて便利です。角度を変えても色が変わりにくいIPSパネルは、こういう面でも威力を発揮しますね。

EIZO ColorEdge CS2420-Z

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EIZOのカラーマネジメント対応シリーズ「ColorEdge」からはこの「CS2420-Z」をおすすめします。

「ColorEdge」は、カラーマネジメント用の「ColorNavigator」という専用ソフトが付いていて、初心者でも簡単に色調整ができるようになっているシリーズです。

この「CS2420-Z」は24.1型という適度なサイズ感でイラスト用におすすめのモデルです。Adobe RGBにも対応しているので、WEB用から印刷用データまで幅広く対応できます。

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