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マンガの描き方の本は沢山ありますが、コマ割り(ネームの切り方、構成)を学べる本は少ないと思います。具体的な方法論が書かれた「ハウツー本」と、マンガ表現論に関する「理論書」の2つに分類して、コマ割り・構成について学べる本をまとめました。
具体的なハウツー本
かとうひろし「マンガのマンガ コマ割りの基礎編」
マンガのマンガ 初心者のためのマンガの描き方ガイド コマ割りの基礎編
かなり基礎的な内容ですが、初心者には最適な内容です。
分かりやすく全編マンガで解説されています。
菅野博之「マンガのスキマ」
漫画のスキマ―マンガのツボがここにある! (Comickersテクニックブック)
いわゆる「視線誘導論」をかなりくわしく説明する本です。
「視線誘導論」について、実例を使って説明した本としては、最も情報量が多いかもしれません。
とはいえ、詳しく説明されすぎているために、一般論ではなく「こういう考え方もあるんだ」というような内容になっています。
「マンガ表現論」の本
マンガの表現技法を作り上げたのは、手塚治虫をはじめとする、偉大なマンガ家たちですが…
マンガを研究して、「マンガ表現論」を作り上げてきた人物といえば夏目房之介先生、竹内オサム先生などですね。
他にも、大塚英志先生、いしかわじゅん先生などが、マンガ表現論研究を作り上げてきました。
最近は「マンガの描き方」の本が溢れすぎていて、何が王道で、何が邪道なのかが曖昧になっていますから、まずは基本として上記の先生方の本を読んでおいたほうがいいと思います。
夏目房之介「マンガの読み方」
「視線誘導論」の権威でもある夏目先生の本の中では一番のおすすめです。
夏目先生の「マンガ表現論」をまとめた本としては、一番情報量が多く、一つの集大成だと思います。
竹内オサム「手塚治虫論」
いわゆる「同一化技法」を説明する本ですね。この本では「新宝島」が、映画的なマンガの始まりとしていますので、その点は少し古い理論でしょう。
とはいえ、何が始まりか、だれが最初にやったかという話はどうでもいいと思います。重要なのは「映画的なマンガ表現とは何か」という話です。
そういう意味でこの本は、「映画的な表現」は「同一化技法」のことである!という理論が書かれた名著です。
いしかわじゅん「漫画ノート」
いしかわじゅん先生の漫画評論の第二弾が出ていたので、紹介します。
第一弾は少し古いですが「漫画の時間 」という本ですね。
テヅカ・イズ・デッド
テヅカ・イズ・デッド ひらかれたマンガ表現論へ (星海社新書)
「新宝島が起源」という理論について、この本の中で反論されています。
とはいえ、「誰が最初にやったか」という不毛な議論で終わらず、マンガの表現方法について主に論じています。
大塚英志「まんがはいかにして映画になろうとしたか」
マンガは「映画的」と言われますが、「映画的とは何か」を「同一化技法」とは別の観点で、くわしく解説しています。
手塚治虫の「記号論」には、引用元があった!という話もあるので、大変面白いです。
まとめ
「マンガ表現論」は、マンガの「描き方」というよりは「読み方」の研究ですが、うまく応用することで、コマ割りやネームの描き方が上達すると思います。
少なくとも「読みやすい」マンガを描くことができるようになるでしょう。
新しい本がどんどん出てきますが、まずは王道・基本を押さえるために、この記事で挙げた本を読むことをおすすめします。