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デジタルでイラストを描くソフト・アプリは沢山ありますが、
この記事では、マンガを描くために重要な4つの機能について、主なマンガ制作ソフトを比較して、おすすめ順に並べています。
Photoshopなど、マンガ作成用ではない汎用ソフトも比較しています。
重要な機能
まず、マンガを描くために重要な機能をまとめました。
ワク線
ワンタッチで簡単にマンガのワク線を引いて、コマ割りができる機能です。これがないと、かなり作業効率が悪くなります。
テキスト入力
セリフなどの文字を入力する機能です。SAIなどのイラスト制作ソフトの中には、この機能がないものがあります。
ベクターペン入れ
一度描いた線を、ひものように動かしたり、強弱を調整したり、太さを変えたりできる特殊なペン入れ機能です。
修正の手間がかなり省けるので、マンガやイラストを描く際にかなり便利な機能で、必須と言ってもいいでしょう。
ベクター画像のペン入れなら、解像度を変えても劣化しないという特徴があるので、原稿サイズの調整にも柔軟に対応できます。逆に、ベクターのペン入れではない場合、原稿を拡大・縮小すると、線が汚くなりやすいです。
パース定規・集中線
背景や集中線を描くのに不可欠な機能です。
アナログでは、消失点に画びょうを刺して、定規を当てて線を引く…あの技法をデジタルでやるような感じですね。設定すると、消失点に収束する線だけが引けるようになります。
複数の消失点を設定したり、アイレベルを設定できる場合もあります。
似たような機能で、「集中線」という機能もありますね。
以上4つの機能の有無を基準に、マンガ制作ソフトを比較してみます。
1位:CLIP STUDIO PAINT(クリップスタジオペイント)
機能・特徴
機能 | 有無 | 備考 |
ワク線 | 〇 | |
テキスト入力 | 〇 | 各種マンガ用フォントが使える |
ベクターペン入れ | 〇 | |
パース・集中線 | 〇 | 4つまで消失点を設定可能 |
すべての機能が充実していますね。
特に「ベクターペン入れ」ができるマンガソフトはこれだけです。「Illustrator」と「SAI」でも可能ですが、マンガ用のソフトではないので、「ワク線」機能がありませんし、「SAI」に至ってはテキスト入力も出来ません。
あと、3Dモデルの機能があるのが特徴ですね。
この機能を使えば、3Dデッサン人形みたいなものを画面に表示させながら、その上から描けるので、かなり便利です。
ちなみに「Comic Studio(コミックスタジオ)」は、このソフトの旧バーションです。
価格・グレード比較
- CLIP STUDIO PAINT PRO
:
[ダウンロード版]5000円(税込)
[パッケージ版]9000円(税込) - CLIP STUDIO PAINT EX
:
[ダウンロード版]23000円(税込)
[パッケージ版]36500円(税込)
[バリュー版]500円/月(税込)
イラスト用の「CLIP STUDIO PAINT PRO」と、マンガ用の「CLIP STUDIO PAINT EX」があります。EXのほうが機能が多いです。
前述した重要な機能は、両方とも搭載しています。EXだけにある機能の一覧は以下の通りです。
- 複数ページの管理・印刷・書き出し
- LT変換:写真、画像や3Dデータを線画と色面やトーンに自動変換
- 共同制作の管理
- プラグイン:さまざまなフィルターを組み込める
- ストーリー作成支援:セリフを一括して編集
- 入稿支援:同人誌やZINEなどの印刷会社への入稿用データの作成
- プロ向けアニメ制作
- 3D素材を配置時に同時に4方向から確認
- Kindle・EPUBフォーマットの出力
- ネーム制作アプリ「Wacom Manga Canvas」との連携
詳しくはコチラ↓
2位:MediBang Paint(メディバンペイント)
価格:無料
機能・特徴
機能 | 有無 | 備考 |
ワク線 | 〇 | |
テキスト入力 | 〇 | 各種マンガ用フォントが使える |
ベクターペン入れ | × | |
パース・集中線 | △ | 消失点を1つしか指定できない |
iOS・Androidアプリもあるので、スマホ・タブレットでも使えます。
パースは、2本の線を引くことで、消失点を自動生成できます。1つの消失点しか作れませんが、1点透視で描くだけなら、使いやすいかもしれません。
ちなみに、ジャンプとコラボした「ジャンプペイント」というバーションもありますが、ちょっとしたおまけがついているだけで、機能は同じです。
詳しくはコチラ↓
3位:ComiLabo(コミラボ)
価格:5800円(税込)
機能・特徴
機能 | 有無 | 備考 |
ワク線 | 〇 | |
テキスト入力 | 〇 | |
ベクターペン入れ | × | |
パース・集中線 | 〇 | 3点透視まで可能 |
ベクターペン入れがないこと以外は機能が充実しています。
とはいえ「CLIP STUDIO PAINT PRO」のダウンロード版より高いですから、これを選ぶ意味がほとんどありません。
なんとなくサポート終了しそうな気配もあります。
詳しくはコチラ↓
その他・汎用画像編集ソフト
マンガ用ではない画像編集ソフトは、ワク線などの機能がありませんので、マンガを描くためには使いにくいと思います。
補助的に使ったほうがいいでしょう。
以下に簡単にまとめてみました。
Photoshop
価格:月980円[フォトプラン]
機能 | 有無 | 備考 |
ワク線 | × | |
テキスト入力 | 〇 | |
ベクターペン入れ | × | |
パース・集中線 | × | パース変形はできるが、パース定規はできない |
写真を加工してカラーの背景を作ったりするには、ダントツで機能が充実しています。
Illustrator
価格:月2180円[単体プラン]
機能 | 有無 | 備考 |
ワク線 | × | |
テキスト入力 | 〇 | |
ベクターペン入れ | 〇 | |
パース・集中線 | 〇 |
SAI
価格:5400円(税込)
機能 | 有無 | 備考 |
ワク線 | × | |
テキスト入力 | × | |
ベクターペン入れ | 〇 | ベクターペン入れの機能は充実している |
パース・集中線 | × |
GIMP
価格:無料
機能 | 有無 | 備考 |
ワク線 | × | |
テキスト入力 | △ | 縦書きがやりにくい |
ベクターペン入れ | × | |
パース・集中線 | × |