マンガのコマ割りのコツ|ムダのないコマ割りは手塚治虫から学ぶべし!

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手塚治虫の作品について、たまに言われるのが「ページ数が少なくても、それを感じさせない」ということ。つまり、普通の漫画家ならコミックス何冊分もかかるようなストーリーを、ほんの数ページに収めちゃう力があるということです。この記事では、そんな手塚治虫のすごさを「ブラックジャック」を例にして、まとめてみました。



「ブラックジャック」から学べるコマ割りの技術

作品全体がそうなんですが、例えば次のページです。

このページだけで、話がかなり進んでいます。

  • ブラックジャックが捕まる
  • 尋問される
  • 留置場に入れられる
  • 周囲の反応

普通の漫画家なら、おそらくこれだけで5ページくらい使っちゃうんじゃないでしょうか。それを1ページに、無理なく収めている。どうしてこんなに圧縮しても自然に読めるのか…そう簡単にマネできないレベルですね。

しかし漫画を描きたければ、ぜひ学んでおくべき技術だと思います。

マンガを描くなら必読!

「ブラック・ジャック」は、マンガの文法を創造した手塚治虫の晩年の名作です。マンガという表現手段を突き詰めた、ひとつの完成形だと思います。

マンガを描くならば、色々なハウツー本を読むだけでなく、手塚作品から…特に「ブラック・ジャック」から学ぶことは重要だと思います。

とくに絶妙な「省略」がすごい

ブラック・ジャックのコマとコマのつながりをじっくり見返すと、「このコマの次に、いきなりここに飛ぶ?!」というのがよくあります。

例えば先ほどのページだと、3コマ目→4コマ目がすごく飛んでいる。4コマ目→5コマ目もそうです。↓

3コマ目と4コマ目の間に、移動のシーンやら、場面が変わったことを表すためのコマやら、色々挟みたくなりそうですが、何にもなく、一気に尋問の場面に飛んでいます。

4コマ目と5コマ目の間にも、「(鍵を掛けられて)ガチャン!」みたいなコマが一切なく、閉じ込められた感じを一コマで描ききっています。

ほんと絶妙な省略です。限られたページ数のなかで、いかに面白くするかというプロの心意気が感じられます。

省略は面白さにつながる

ページ数の制限があるかどうかは関係なく、省略というのは、面白さを高める効果もあると思います。

一概に言えませんが、面白い映画は大抵90分~120分。駄作に限って無駄に長かったりします。

もちろん、長い映画でも面白いものもありますが、そういう良作には、無駄なシーンは無いはずです。

無駄に長いカット(マンガでは、無駄なコマ)ただ個人的に執着があるだけのシーン。つじつまあわせだけのシーンなど…無駄なシーンはないほうがいいでしょう。それは漫画も映画も同じだと思います。

省略は量産につながる

無駄なコマや演出を省くと、作業効率が上がり、作品を短時間で仕上げられます。それは手抜きではありません。

マンガを描き始める人は。たいてい「なかなか作品が完成しない」という問題にぶつかります。この壁を破らない限り成長はないでしょう。

そのためにもうまく「省略」して、作業効率を上げることが大切だと思います。ぜひとも絶妙な「省略」ができるようになりたいものです…。



今回の参考作品

手塚治虫『ブラック・ジャック』Kindle版 1