魅力的なキャラクター設定の作り方は色々ありますが、ちょっと変わった作り方として、キャラ同士の関係性から考える方法を紹介します。キャラを立てる方法としておすすめです。
キャラ同士の関係性が魅力的な作品は多い
ほとんどのキャラ作法は、キャラ単体がいかに魅力的になるかを考えるものだと思います。
とはいえ、キャラ一人一人が魅力的なだけでなく、キャラ同士の「関係性」が魅力的な作品も、世の中にあふれています。例えばブラック・ジャックとピノコ。シャーロック・ホームズとワトスン君。C3POとR2D2などがそうです。
このように2人セットでキャラ設定を考えるというのも面白いと思います。
『魅力的な人物を作る! マンガキャラクター講座』という本にも、以下のように解説されています。
「主人公の価値を高めてくれるサブキャラクターが必ずいる」のです。
(中略)
このようなサブキャラクターは、キャラクターを1人ずつ作っていては決して生まれません。…(中略)…お互いの関係性を相対的に作っていくことで成立するものなのです。
―出典:田中裕久著『魅力的な人物を作る! マンガキャラクター講座』
関係性から考えるメリット
セットでキャラ設定を考えることには、幾つかのメリットがあります。
そのままストーリーになる
関係性が魅力的だと、そのまま魅力的なストーリーにできる場合があります。
「自分は奥さんだと思っているピノコと、娘のように扱うブラックジャック」「ホームズに振り回されるワトスン君と、ワトスン君に依存しているホームズ」といった具合です。
1人だけでは会話もドラマも生まれにくいですが、2人以上の関係性からは、対立とかすれ違い、友情や恋愛などのさまざまなストーリーが生み出されていくわけですね。
キャラを立てることができる
関係性の魅力を使えば、単独のキャラではできないような仕方で、キャラを立たせることができます。
ピノコがいることによって、ブラックジャックの違った一面が引き出されます。のび太がいることで、ドラえもんが教育者・保護者のような立場として描き出されます。
例えばピノコぬきのブラック・ジャック。のび太君ぬきのドラえもんをイメージしてみて下さい。キャラの魅力が激減するのではないでしょうか。
また、サブキャラクターを変えると、作品のイメージもガラッと変わります。ピノコが大人の女性だったら、のび太が中年のおっさんだったら…全然違うお話になってしまうでしょう。
単独のキャラ立て設定だけでなく、キャラ同士の「関係性」によるキャラ立ても、けっこう有効な方法なんですね。
どうやって関係性を考えればいいか
キャラ同士の魅力的な「関係性」なんて、どうすれば思いつくんでしょうか?
元ネタを探す
1つの方法は「引用」です。
好きな作品などから、キャラ同士の「関係性」を引用しちゃいましょう。もちろん関係性以外にも似ている部分が多すぎると問題ですが「関係性」だけを上手く引用すればいいのです。
身近な人間関係をモデルにするのもありです。他の人には真似できないような、面白い関係性を持ったキャラを作れるかもしれません。
引用してキャラを作る方法について、詳しくは以下の記事を参照してください。
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キャラクターの作り方|既存のキャラを元ネタにして、新しいキャラを作ろう!
面白いキャラが思いつかない…どうすれば思いつくのか? この記事では、方法の一つとして「既存のキャラを元ネタにする」という ...
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「関係性」の基本単位は1対1
キャラの関係性を考えるときに注意すべき点は、関係性の「基本単位は1対1」だということです。3人以上のキャラの関係をまとめて考えようとすると、ごちゃごちゃになります。
『ひだまりスケッチ』のひだまり荘の6人も、2人ずつのペアになっていますから、「基本単位は1対1」という原則を守っている感じがします。
3人それぞれの関係性を3 つ作るという方法もあります。とにかく関係性の基本は1対1です。キャラ同士を線で結んで、その線一本ごとに関係性を作っていく感じですね。
まとめ
「関係性」からキャラを作ると、そのままストーリーになり、キャラも立つというメリットを考えました。キャラ一人一人を魅力的にしつつも、「関係性」を使ったキャラ立てを考えてみるのはいかがでしょうか。
一人のキャラを立てる方法については、以下の記事を参照してください。
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マンガのキャラの作り方―「キャラ立ち」するような魅力的なキャラクターを作る2つのコツ
「マンガはキャラクターが命!」とよく言われます。キャラを立てよう!と思っても、具体的にどうすればいいのでしょうか。この記 ...
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