ヒーローものとかバトルものの常識として、主人公が強すぎると面白くないから、必ず弱点、欠点をつけるというのがありますね。
この記事では、弱点をつけると何がいいのか?どうやって弱点をつけたらいいのか?をまとめています。
主人公には弱点が必要といわれているけど
ウルトラマンは3分しか戦えない。アンパンマンは濡れたら弱くなる。ルフィは「泳げない」。
こういう弱点、欠点の必要性は、ジャンプが出しているのマンガの描き方本「鳥山明のヘタッピマンガ研究所」でも、以下のように説明されています。

ジャンプコミックス「鳥山明のヘタッピマンガ研究所」より
鳥山明のヘタッピマンガ研究所 あなたも 漫画家になれる!かもしれないの巻 (ジャンプコミックスDIGITAL)
なんで欠点をもっていなきゃいけないんでしょうか。
弱点、欠点が重要な2つの理由
「葛藤」させるため
ストーリーには「葛藤」が必要だといわれています。
その点は、ハリウッド映画の脚本術ハウツー本として有名な「映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと」(シド・フィールド著)で、以下のように説明されています。
すべてのドラマは葛藤である。
葛藤なしでは、アクションは生まれない。
アクションがなければ、キャラクターを作ることができない。
キャラクターなしでは、ストーリーが生まれない。
映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術
欠点とか弱点は、この「葛藤」を生み出すための、一つの手段ということだと思います。
主人公が強すぎて、何でもできちゃうと「葛藤」は生まれないですからね。そして「葛藤」なしでは、最終的に「ストーリが生まれない」といわれています。
つまり「葛藤」がないと面白くないよ!ということでしょうね。「ヘタッピマンガ研究所」でも、わかりやすく、以下のように説明されています。

ジャンプコミックス「鳥山明のヘタッピマンガ研究所」より
ストーリーを盛り上げて、面白くするための弱点だということですね。
共感を呼ぶため
葛藤を作るというより、親近感を持たせるなど、キャラの魅力をUPさせる弱点もあります。
いわゆる「ギャップ萌え」とはちょっと違います。単なる「ギャップ」ではなく、「弱点」です。
「強すぎて悩みなんてないと思っていたキャラが、以外に自分たちと同じ弱さを持っていた…こいつも僕と同じことで悩んでるのか…」と親近感をもつための「弱点」です。
どうやって弱点をつけたらいいか
「葛藤」のための弱点の作り方
前述のとおり、弱点は「葛藤」を生み出すためにあるので、
弱点が「葛藤」につながるかどうか、それが「ストーリー」になるかどうかで考えるべきでしょう。
ウルトラマンの「3分」という制約があるから、3分以内で倒さなきゃ!という葛藤につながって、盛り上がるわけです。
逆に、何の葛藤も、ストーリーも生み出さないような弱点は意味がないでしょう。
「ゲームにはルールがあるから面白い」ということに似ていますね。
共感を呼ぶ弱点の作り方
「共感を呼ぶ」ためであれば、あたりまえですが「共感しやすい欠点」にする必要があります。
たとえば「優等生だけど異常な趣味がある」みたいな欠点は、「ギャップ」としてのキャラ立ちにはなりますが、「共感」されにくいでしょう。
感情移入してほしいキャラクターには、「あるある!わかる!」と、みんなが共感しやすい欠点を設定するといいかもしれません。
まとめ
キャラクターに弱点、欠点を設定するメリットは、以下の2点でした。
- 「葛藤」させて、ストーリーを盛り上げるため
- 「共感」させて、キャラに感情移入させるため