当サイトではアフィリエイト広告を使用しています。
日本では「起承転結」にそってストーリーをまとめるのが基本だとされています。とはいえ世界的には「三幕構成」のほうが一般的です。この記事では、ストーリー作りにおける起承転結のそれぞれの意味と、三幕構成との比較についてまとめました。
本来はストーリー作りと関係ない
よく知られたことですが、起承転結は本来、ストーリーの作り方とは関係ありません。
元々は漢詩の構成理論ですね。ストーリーの構成理論としては、ちょっと邪道なわけです。漢詩の起承転結は、以下のような定義が一般的です。
第1句の起句で詩意を言い起こし、第2句の承句でそれを受け、第3句の転句で素材を転じて発展させ、第4句の結句で全体を結ぶ。
出典:小学館「デジタル大辞泉」(2016版)より
これだけの説明だと、ストーリーのまとめ方としては、どうしたらいいのかさっぱりですね。漢詩の理論ですから当然です。漢詩の理論が、今では文章やストーリー構成理論としても使われているわけです。
ルーツはともかく、ストーリーの作り方の理論として日本で浸透していることは事実ですから、どのような意味があるのかを詳しく知っておくことは重要でしょう。以下の項目から解説します。
起承転結のそれぞれの意味
起承転結をストーリー構成に当てはめた場合の説明について、最も一般的と思われる、小国英雄の解説を以下に引用します。
起――とは、主人公の置かれている状態、劇の説明であり、
承――は、主人公の置かれている状態にある事件が起こり、これから段々劇が展開して行く過程であり、
転――は、一つの劇のヤマ場で結果に赴く為の転化であり、
結――は、承、即ち事件とそれによって起こって転化によって出された結果である。
出典:鬼頭麟兵「シナリオ作法考―その二十講」より。小国英雄の解説。
一般的なストーリーの構成方法を、漢詩の起承転結にはめ込んだ感じですね。ハリウッドの「三幕構成」も、ほぼ同じ内容で、以下のように対応しています。
- 起:一幕
- 承転:二幕
- 結:三幕
三幕構成について詳しくは、以下の記事を参照してください。
起:状況説明(一幕)
「起」は、前述の解説では「主人公の置かれている状態、劇の説明」とのことですが、三幕構成の「一幕」もほとんど同じ内容です。
設定や登場人物の説明をし、「承」を始めるための準備をします。ここで読者・視聴者をストーリーに引き込むことが重要とされているので、単なる説明で終わらず、続きが気になるような工夫も必要です。
三幕構成で作られたハリウッド映画は、だいたい冒頭の30分が「起」(一幕)ですから、色々な映画を参考にするとわかりやすいと思います。
承:葛藤(二幕の前半)
「承」は「主人公の置かれている状態にある事件が起こり、これから段々劇が展開して行く過程」とのことですが、完全に三幕構成の「二幕」ですね。二幕の内容は「葛藤」です。
いわゆる「ストーリー・クエスチョン」(セントラル・クエスチョンともいう)がはっきりした時点で、二幕が始まります。
「ストーリー・クエスチョン」とは、ストーリー全体で解決すべき問題などのことで、主人公の目標だったり、解明すべき謎だったりします。
そして、その問題がすんなり解決したら面白くないので、妨害するような状況を作り、主人公が問題解決にむけてがんばる「葛藤」を生じさせます。これが「承」(二幕)です。
ストーリー・クエスチョンについては、以下の記事に詳しくまとめています。
ハリウッド式構成の基本「ストーリー・クエスチョン」もしくは「セントラル・クエスチョン」とは?
転:変化(二幕の後半)
「転」とは「劇のヤマ場で結果に赴く為の転化」とのことですが、三幕構成では「二幕」の後半にあたり、ちょうどストーリーの真ん中から始まります。
二幕の前半までは、逆境の中でも目標に向かって順調に進んでいた主人公に、危機が訪れます。敵がいる場合には、形勢が大きく逆転し始める部分です。
例えばドラえもんの場合、それまで道具をうまく使っていたのび太が、失敗し始めたり、しっぺ返しを受け始めたりする部分ですね。
ただ話に変化を付けるというだけではなく、「結果に赴く為」というところがポイントです。次の「結」に向けた流れを作っていきます。
結:結果(三幕)
結は「承、即ち事件とそれによって起こって転化によって出された結果」とのことです。
つまり「承」で「ストーリー・クエスチョン」として設定した問題が、「転」を経て、結局どうなるのかという「結果」の部分ですね。
映画の場合、ここは単なるオチではなく、最後の30分の盛り上がりです。転で窮地に陥った主人公が、解決策を見つけ、オチに向かって動き出します。
例えばサスペンスなどで、刑事が事件解決の重大なヒントに気づいて、「それだ!」と叫んで急に走り出す、あの場面以降の盛り上がる部分です。
まとめ
起承転結は、元々漢詩の構成理論ですから、ストーリーの理論としては、ちょっと邪道といえます。構成を勉強するなら「三幕構成」から勉強したほうがいいでしょう。とはいえ、この記事でまとめたとおり内容は大体同じですから、最終的にどっちを使ってもOKということですね。