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お絵描きなどに使われる「液晶タブレット」(通称:液タブ)と、iPad などの「タブレットPC」は何が違うのでしょうか。基本的な「6つの違い」を確認しましょう。「マンガ・イラストに使うならどっちがいいのか?」という点も解説しています。
液タブとiPad(タブレットPC)の基本的な違い
お絵描きに使用する「液晶ペンタブレット」は、iPad などの「タブレットPC」とは全く別物です。
基本的な違いは、液晶ペンタブレットには「パソコンとしての機能がない」ということです。つまり液晶ペンタブレットはパソコンが内蔵されていないので、パソコンに接続しないと動きません。
つまり液晶ペンタブレットは、液晶画面とペン機能が付いている「マウスのようなもの」です。
一方、iPad などの「タブレットPC」には、パソコン機能が内蔵されています。つまり液晶ペンタブレットとパソコンを合体させたような製品です。
違い1:選べるソフトの自由度
一つ目は、「選べるソフトが違う」という点です。これは特に iPad や Androidタブレットの場合に関係してきます。
iPad や Android は使えるソフトが限られる
iPad や Androidタブレットに対応しているお絵描きソフトは少ないのが現状です。
iPad や Androidタブレット対応のソフトがあっても、機能が限られていることがあり、基本的にはパソコンほどハイスペックなソフトは選べません。
つまり iPad や Androidタブレットは簡単なイラスト制作や趣味のお絵描きには適していますが、プロとしての本格的なお絵描きには不便なことがあります。
一方の液晶ペンタブレットはパソコンに接続して使うので、ソフトに関する制限はありません。OS も自由に変えられます。
Windowsタブレットなら問題ない
ちなみに iPad ではなく「Windowsタブレット」なら、パソコンと同じソフトが使えます。
スペックも自由に選べるので、選べるソフトに関するデメリットはありません。
違い2:選べるスペックの自由度
液晶ペンタブレットは、パソコンのスペックを自由に選べます。一方、iPad などのタブレットPC は、基本的にスペックを変えられません。
液タブはスペックを変えられる
液晶ペンタブレットは、パソコンに接続して使うので、パソコンを交換するだけで自由にスペックを変えられます。
液晶ペンタブレットを買い替えずに、パソコンだけをどんどん新しいものに替えていくという使い方も可能です。Widows から Mac に替えることもできます。
仮にパソコンが壊れても、パソコンだけを買い替えるだけで済むので、液晶ペンタブレットまで買い替える必要はないわけです。
タブレットPC はスペック固定
iPad などのタブレットPC は「液晶ペンタブレットとパソコンを合体させたような製品」と解説しましたが、そのことはデメリットでもあります。合体しているので、スペックが固定されてしまうのです。
もちろん高性能なタブレットPC もあり、さまざまなスペックを選べますが、一度選んだスペックを変えるには「全部買い替える」のが基本です。
「低スペックのタブレットPC を選んで失敗した」「もっと高性能なタブレットPC が欲しい」と思ったときには、液晶ペンタブレットのように「パソコンだけを替える」ということができません。全部を買い替える必要があります。
違い3:かかる費用の大きさ
液晶ペンタブレットはパソコンが別売りなので、両方買うと費用が高くなります。一方、iPad などのタブレットPC は、それだけ買えばいいので、合計の費用が安く済むことが多いです。
液タブは必要な周辺機器が多い
液晶ペンタブレットはそれだけでは使えないので、パソコンを含めた周辺機器をいろいろ購入することになります。
快適に作業するには、パソコンだけでなく、モニターやキーボード、マウスなども欲しくなるでしょう。
液晶ペンタブレットそのものが10万円前後と高額で、それに加えてパソコンや周辺機器をそろえるとなると、合計でかなりの費用がかかってしまいます。
タブレットPC は周辺機器が少ない
iPad などのタブレットPC は、それだけあれば動くので、「Appleペンシル」などの専用ペンさえ買えば、他の周辺機器は必要ありません。
「Windowsタブレット」や「iPad Pro」などでスペックの高いものを選ぶと、それだけで20万円近くすることもありますが、周辺機器が少ないので、合計の費用は安く済むことが多いです。
違い4:持ち運びやすさ
液晶ペンタブレットはパソコンなどの周辺機器が必要なので、電源が必要ですし、持ち運ぶとなると大変です。一方、iPad などのタブレットPC は、電池の持ちがよくて電源不要。それだけ持ち運べばいいので楽ですね。
液タブは持ち運びしにくい
カフェなどで作業するために、液晶ペンタブレットを外に持ち出すとなると、かなり大変です。
液晶ペンタブレット自体、結構な重さがある製品が多く、加えてパソコンやその他の周辺機器を持ち歩くとなると、合計でかなりの重量と大きさになります。
さらに、ほとんどの液晶ペンタブレットは電源接続が必要なので、基本的にはコンセントのある場所でしか作業できません。
液晶ペンタブレットは自宅での使用に限られるでしょう。
タブレットPC は持ち運び自由
iPad などのタブレットPC は、そもそも持ち運んで使うように作られているので、いろいろな場所に持って行って作業できます。
軽量で薄型のタイプが多いので、カバンに入れても重くなりにくいのが特徴です。自宅だけでなく出先でも作業したいなら、タブレットPC 一択でしょう。
違い5:画面のタッチ機能の有無
液晶ペンタブレットの画面は一見、指で操作する「タッチパネル」のように見えますが、実は違います。
液タブはタッチパネルじゃない
液タブの画面は基本的にタッチパネルではありません。
液タブはペンだけを使って操作するのが前提のツールなので、指などが当たっても反応せず、専用のペンにしか反応しないのです。
最近になってタッチ機能を追加した液晶ペンタブレットも登場していますが、基本的にはタッチ機能がありません。
タブレットPC は指で操作するのが基本
一方のタブレットPC は、指で操作することを前提に作られているので、画面がタッチパネルです。指や手の甲が当たると反応してしまって、使いづらいことがあるでしょう。
ただし最近では、オプション商品の「スタイラスペン」を購入することで、ペンだけでの操作ができるタブレットPC も登場しています。
スタイラスペンと連動する「パームリジェクション」と呼ばれる機能があるタブレットPC なら、ペンだけに反応するようにタッチパネルの動作を制限できるので、手の甲などが当たっても反応しないように設定できます。
違い6:ペンのバッテリーの有無
使用するペンについても違いがあります。液晶ペンタブレットのペンは基本的に「バッテリーレス」で、充電や電池交換が一切不要というのがメリットです。
液タブのペンはバッテリーレス
液晶ペンタブレットのペンは基本的にバッテリーが入っていません。いわゆる「電磁誘導」によって、ワイヤレスで電力を供給しながら描くという仕組みです。
充電不足で「描いていたら急に反応しなくなった」ということがなく、いつでもスムーズな描き心地を保ってくれます。
バッテリーレスのペンというと、ペン先の太い「タッチペン」をイメージするかもしれませんが、全く違います。液タブのペンは先端が細くて、筆圧や傾きまで検知する超高性能ペンです。
これは先端技術というわけではなく、液タブのペンは昔からバッテリーが入っていません。長い歴史に基づく安定感があります。
iPad などの専用ペンは充電が必要
iPad の「Apple ペンシル」をはじめ、多くのタブレットPC の専用ペンは、バッテリー内蔵で、電池交換や充電が必要です。
専用ペンではなく、先端がシリコン素材などでできた、「タッチペン」ならバッテリーレスですが、画面に手が当たると反応してしまったり、筆圧感知しなかったり、絵を描くには不便でしょう。
ちゃんと絵を描くには、バッテリー内蔵の「スタイラスペン」を使う必要があります。いちいち充電するのが面倒な人にとってはデメリットでしょう。
結局どっちを選ぶべきか?
では結局、マンガやイラストを描くためには「液晶ペンタブレット」と「タブレットPC」のどっちが適しているのでしょうか。
本格的に描くなら液タブ
マンガやイラストを本格的に、効率的に描くには、液晶ペンタブレットの方が適しています。
最大のデメリットは「持ち運びしにくい」という点なので、家で描くだけなら液晶ペンタブレットが勝っているといえるでしょう。
もう一つのデメリットである「予算」については、格安の液晶ペンタブレットも登場しているので、工夫次第で解決できるかもしれません。
趣味やサブ機としてならタブレットPC
タブレットPC は、iPad や Android などお手軽に購入できるものが多いので、予算をかけず、趣味としてのお絵描きにぴったりです。
仕事として本格的に絵を描くとしても、出先で作業するための「サブ機」としてなら、タブレットPC の方が便利でしょう。
最近では、パソコンに接続すると液晶ペンタブレットにもなるという、ハイブリッドなタブレットPC も販売されています。
マンガ・イラストにおすすめの液タブ
現在販売されている液晶ペンタブレットは、基本的に「日本製か中国製か」のどちらかですね。中国製については、以下の記事にまとめています。
日本製は、ほぼ Wacom(ワコム)社一択です。ここでは安心感のある Wacom 社の液晶ペンタブレットを紹介します。
Wacom One
Wacom の格安モデルです。日本製の液晶ペンタブレットは10万円前後が相場なので、4万円台という驚きの格安価格ですね。
格安の液晶ペンタブレットというと「中国製」という選択肢もありますが、日本製の安心感を重視しながらコストも抑えたいという人に適しています。
画面サイズは13.3型で、液晶ペンタブレットとしては少し小型です。
「Android スマホ」に接続して使えるのも魅力。パソコンを持っていなくても、液晶ペンタブレットでのお絵描きに挑戦できます。Android に接続するためのアダプターは別売りです。
Wacom Cintiq
こちらは Wacom の初心者向けモデル。7万円台から購入できるという、比較的手を出しやすい価格帯が魅力です。
後述するプロ向けモデルとの違いとして大きなポイントは、発色性能。表現できる色の種類の多さを表す「NTSCカバー率」が72%で、プロ向けモデルと比べると低スペックになっています。
白黒マンガの場合は関係ありませんが、カラーのイラストなどを描く場合には、正しい色で塗れているかどうかを確認するために、別のモニターが必要でしょう。
16インチと22インチの2種類のラインナップから選べます。
Wacom Cintiq Pro
Wacom の液晶ペンタブレットの中で最高スペックのシリーズです。Wacom の技術がふんだんに盛り込まれています。
4種類の画面サイズ(13インチ、16インチ、24インチ、32インチ)があり、16インチ以上のモデルは4K対応の高画質です。
一番小さいモデルでも10万円以上しますが、本格的にマンガやイラストを描くならこのシリーズですね。
マンガ・イラストにおすすめのタブレットPC
次はタブレットPC のおすすめです。お絵描き用におすすめのタブレットPC について詳しくは、以下の記事も参照してください。
ここでは、安心感のある Wacom のタブレットPC を紹介します。
Wacom MobileStudio Pro
Wacom の Windowsタブレットです。タブレットPC でありながら液晶ペンタブレットと同じように「バッテリーレス」のペンが使えるのが魅力ですね。
専用アダプターでパソコンと接続すれば、普通の液晶ペンタブレットとしても使えるので、「自宅でも、外でも使いたい」という人にピッタリです。
「NVIDIA Quadro 搭載」「メモリ16GB」「メモリ8GB」など、予算に合わせて、いくつかのスペックが選べます。背面カバーを取り外せるので、ストレージとメモリ増設・交換がしやすく、スペックの変更も可能です。