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ストーリーの作り方を解説する本はたくさんありますが、「役立つ本」から「そうでもない本」までピンキリです。当サイト厳選のおすすめ本8冊を紹介します。世界的に有名な本から最近登場した本まで網羅したラインナップです。どの本も小説・漫画・映画の脚本など、メディアに関係なく共通して使えます。
プロット・アウトラインの作り方が学べる本
K. M. ワイランド著『アウトラインから書く小説再入門』
本文を書きながらプロットを考えるのではなく、「しっかりプロットを作ってから」執筆していく方法を具体的に解説した本です。
「最初からプロットを決めてしまうと、自由が奪われる!」という意見があることは分かったうえで、プロットを作ってから執筆しても自由が奪われないといえるのはなぜか、プロ作家のインタビューを交えながら解説しています。
プロットの作り方が具体的に理解できる良本です。
K. M. ワイランド著『キャラクターからつくる物語創作再入門』
「キャラクター・アーク」と呼ばれる「登場人物の変化」を基準にしてプロットを作る方法を解説した本です。
主人公が「良い方向に変化」する物語だけでなく、主人公が変化せず「周囲が変化」する物語や、主人公が「悪い方向へ変化」する物語についても解説。
ストーリー構成理論の専門用語の一つである「アーク」という考え方を学べます。「物語は変化を描け!」とよくいわれますが、その意味がよく分かる本です。
ちなみに「キャラクター」という言葉がタイトルにありますが、これは「キャラクターの作り方」の解説書ではなく、「ストーリーの作り方」であるという点は押さえたうえで読むことをおすすめします。
三幕構成が学べる本
シド・フィールド著『素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック
三幕構成のバイブル的な存在として有名な本です。
「ストーリーを作る人はみんな読んでて当たり前」というほど有名な本です。少し長くてハードル高めの本ですが、三幕構成の基本が学べます。
同じシリーズで3冊出ていて、こちらは2冊目。1冊目では本人も発見していなかった「ミッドポイント」という重要な要素が加わっています。1冊目を読んでいなくてもOKな、網羅的な内容です。
K. M. ワイランド著『ストラクチャーから書く小説再入門』
シド・フィールドの本と一緒に、こちらの本もおすすめです。三幕構成の基本は知っていることを前提に、各パートの作り方を詳しく解説しています。
なぜこういう構成が必要なのか?という理由まで分析しているところが面白いです。
冒頭で読者・観客の興味を引き付ける「つかみ」の作り方についても詳しく書かれています。
ブレイク・スナイダー著『SAVE THE CATの法則』
こちらもストーリー構成論の世界ではもう一つのバイブル的な存在の本です。三幕構成をさらに細分化した「ビートシート」と呼ばれる構成理論を学べます。
他にも、タイトルになっている「SAVE THE CATの法則」をはじめ、ストーリーを面白くする「基本法則」が、分かりやすく解説されています。
特に、全てのストーリーを「10のジャンル」に分類してしまうという考え方は、「王道の展開」を把握するために使える内容です。王道を知っておけば、「あえて王道から外れる」ということも可能になります。
2005年に出版され、世界中の映画関係者などに影響を与え、多くの作品を面白くしてきた実績がある名著。
「10のジャンル」についてさらに詳しく解説した続編「10のストーリー・タイプから学ぶ脚本術SAVE THE CATの法則」もおすすめです。
セリフや地の文・描写を学べる本
ロバート・マッキー著『ダイアローグ』
セリフの書き方について、「会話(ダイアローグ)とは何か?」という基本から始まり、具体的なノウハウまで解説した本です。
特に重要な「テキスト/サブテキスト」「アクション/リアクション」という、セリフの基礎となる考え方を学べるのがおすすめポイント。
ちなみに翻訳本なので、セリフの具体例の部分は「英会話をそのまま日本語にしている」という点には注意が必要です。日本語にすると変な印象を受けるかもしれませんが、だからといってダメなセリフというわけではありません。「英語では自然なセリフである」と意識して読むようにしてください。
表面的な言い回しではなく、「セリフを構成するための考え方」をくみ取るようにしましょう。実際、どんな言語でも通用する「基本となる理論」を中心に解説しています。
「ストーリーとは何か?」などの基礎理論が分かる本
ロバート・マッキー著『ストーリー』
1999年に登場し、世界中のクリエイターに影響を与えた名著です。前述の『ダイアローグ』の著者でもあるロバート・マッキーは、三幕構成の本で有名なシド・フィールドと並ぶ世界的権威。
前述の『ダイアローグ』よりも前に出版された本で、セリフだけでなくストーリー全体の理論を、「ストーリーとは何か」という根本レベルから解説しています。
「ビート」「シーン」「シークエンス」などの専門用語の意味がよく理解でき、ストーリーの見方が根本から変わるような内容です。ストーリー制作に関わる人間は必ず読んでおくべき本だといえるでしょう。
伏線の張り方が分かる本
リサ・クロン著『脳が読みたくなるストーリーの書き方』
こちらは「伏線の張り方」についてよく分かるおすすめの本です。「情報をどのように提示するか」「情報を隠しすぎるとどうなるか」などの点がよく分かり、伏線のテクニックを詳しく理解するのにおすすめです。
「ストーリー・クエスチョン」という専門用語を理解するのにも役立ちます。
ストーリー構成論の本を読むとき・選ぶときの注意点
ルールではなく「基礎」として読む
どんな理論も、絶対に守らなければならないルールではなく、ストーリーを作るための「基礎」と考えるようにしましょう。
「三幕構成」や「ビートシート」は細かくて、「厳しいルール」のように思えるかもしれませんが、ルールではなく「基礎」と考えると受け入れやすくなるはずです。
スポーツや音楽、演劇など、あらゆる業界で「基礎」となる理論が重要といわれます。センスやカンだけで上手くできる人は存在しますが、それは限られた天才だけになせるワザでしょう。
ストーリー構成理論は、才能に頼らずにストーリーを作るための「基礎」であり、しっかり習得すれば「応用」して、あえて破ることもできるものです。
「縛るもの」ではなく「利用するもの」と捉えて、どんどん受け入れていきましょう。
できるだけ海外の本に注目する
基本的には「海外の理論」を取り入れることをおすすめします。なぜなら日本には、くわしいストーリーの作り方の「共通理論」が少なく、各クリエイターが「自己流」でやっていることが多いからです。
日本では「型にはめるべきではない」「自由に作るべき」という意見が強いため、海外の最新理論は、あまり受け入れられない風潮もあります。
海外のストーリー創作理論はとても発達していて、もはや「一つの学問」といえるほど。一方、日本は「起承転結」がある程度で、その解釈や使い方も人それぞれです。
日本にも良い本はいくつかありますが、「基礎を学ぶ」「共通理論を学ぶ」という意味では、できるだけ海外の本を積極的に読むことをおすすめします。
翻訳の良悪は気にしない
海外の本は英語を日本語に翻訳するため、読みにくいことがありますが、そのような壁は乗り越えることが重要です。
翻訳本に慣れていないと、どうしてもその部分が気になって、本の内容自体も悪い気がしてしまうかもしれません。
とはいえ、特にストーリーの作り方に関する翻訳本の多くは、海外では何年も前に出版されて多くの業界人に活用されているものがほとんどです。
翻訳の質という「表面的」なことだけで批判してしまうともったいない、世界レベルの情報が詰まっています。表面的な言い回しではなく「内容」に注目して読むように注意してください。