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「自信がなくなって、何も書けなくなってきた」「ストーリーの展開が行き詰ってしまった」「編集者に言われてあれこれ直していたら、何がなんだか分からなくなってきた」などなど…
ストーリーを作る人は、だれでもスランプに陥る危険があると思います。この記事では、スランプに陥った場合の脱出方法を5つ、まとめてみました。
原点に戻る
何回も書き直していくうちに、最初のイメージとは全然違う作品になってしまう。
その結果、いい作品ができることもあるかもしれませんが、たいていの場合はダメ作品になってしまうと思います。
そういう場合は原点に戻るというのはどうでしょう。
なんでこのアイデアが面白いと思ったのか?どんなシーンが思い浮かんだのか。何が書きたかったのか…何回もリテイクしていると、忘れてしまうことがあります。
同じような話が、中川いさみ著「漫画家再入門1」で、以下のように説明されています。
「結局最初に作ったやつが一番おもしろかったりする…」って、ストーリー作りに限らず、色々な場面であるような気がします。
「なぜなのか?」については省きますが、気になる方はご一読をおすすめします。
なぜかはともかく、みんな感じていることですから、経験則として参考にする価値があるでしょう。
ストーリーを練りすぎて、煮詰まってきたら、とりあえず元に戻してみるというのも一つの方法だと思います。
キャラにゆだねる
ストーリーの途中、次の展開をどうしたらいいのか悩んでいる場合は、「キャラにゆだねる」というのはどうでしょう。
話のつじつま合わせなど、ストーリーの流れ優先で考えたせいで、行き詰ったのかもしれません。
キャラクターが、ある程度固まっているのであれば、登場人物が次にどう行動するのか、おのずとわかるでしょう。
スティーブン・キングは、ストーリーの構成を考えず、キャラにゆだねる書き方を推奨しています。
スティーブン・キング著「小説作法」で以下のように述べています。
私は人物を窮地に立たせ、彼らがどうやってそこから脱出するか成り行きを見る。
(中略)私の仕事は脱出に手を貸すことでもなければ、筋立てを操作して彼らを安全な場所へ導くことでもない。
(中略)私はただ人物の行動を見守って、そこで起きたことを書くにすぎない。
出典:スティーブン・キング『小説作法』池央耿訳
つまり、作者が進ませたい方向ではなく、キャラクターが進みたい方向に行かせてあげるのが一番自然で、ストーリーも作りやすいんでしょうね。
「キャラがどう行動するか?」はキャラにゆだねる。
「ここで何が起こるか?」みたいな、キャラにはどうしようもない部分は、作者が考える。
…というように、役割分担をきちんとすることで、スランプに陥ることを防げるんじゃないかと思います。
批判的な目線をやめる
自分に厳しく、完ぺき主義で、ストイック…そういうクリエーターもかっこいいですが、そういうタイプの人は、スランプに陥るリスクが高まります。
もちろん、自分の作品を批判的な目で自己評価することは大切でしょう。でも、そればっかりになると、何も書けなくなってしまいます。
批判的な思考と、クリエイティブな思考は、対立することがあります。書くときは、自分の作品の面白さを、根拠もなく信じきって、テンションを上げて書く!批判するのはその後!という姿勢が必要かもしれません。その点は以下の記事で解説しています。
マンガ家・作家と編集者の関係性について|ダメ出しの正しい受け止め方とは
つまり「クリエイティブモード」と「批判モード」を切り分けるのが理想でしょう。
スイッチの切り替えがうまくできず、「批判モード」のままだと、何も書けないスランプ状態になるリスクが高まります。
理詰めで考えるのをやめる
マンガ「アオイホノオ」に次のようなくだりがあります。
ストーリー作りの経験者が「あるあるw」…となる場面だと思います。
「展開を理詰めで作る」というのは、例えば…
「話のつじつまを合わせるためにはこういう展開にしなきゃ」「話の流れ的に、こういう展開にすべきだ」など、
理屈で展開を考えすぎる状態のことだと思います。
もちろんそれは大切なことですが、「理に走りすぎてわかりづらく、暗くなる!」という可能性があります。
つじつまがあっていて、よくまとまっているからといって面白いとは限らないわけです。
「こう展開したら面白い!笑える!」という、勢いとか、直感とか、ノリで考えるのも、面白い作品を作るためには大切だ!ということで、
「俺は―アホだという事を忘れるな!!」と言っているんだと思います。
別の作品にとりかかる
時々、同じネームを何度も書き直して、編集部に持ち込んでがんばっている人がいるみたいです。
担当にあれこれ言われて、いわれるがまま直す…という状態なのかもしれません。
担当編集者がハズレの場合とか、出版社の方針が合わないとか、色々な可能性はありますが、
他の話を書いたほうがいい場合もあります。
元が悪いといくら直してもダメですが、他のストーリーを考えたら、意外とすんなり面白いものが思いつくかもしれません。
そのことは、スティーブン・キングの「小説作法」にも書かれています。以下のとおりです。
作品の骨組みを支える要素は、はじめからほとんど揃っている。
映画編集者のポール・ハーシュは言った。「粗編集で映画が見えてくるようでなくては駄目だ」。
これは小説でも同じである。たかが第二稿といった小手先の仕事で、支離滅裂な、芸のない作品が見違えるほどに生まれ変るとは思えない。
出典:スティーブン・キング「小説作法」池央耿訳より
つまり「面白い作品は最初から面白い。つまらない作品は、いくら直してもつまらない」ということでしょう。
せっかく書いたアイデアですから、完全に捨てずに、いつか使うことだってできます。今はとにかく別のストーリーを考えてみるというのも、一つの手かもしれません。
まとめ
紹介した、スランプ脱出方法をまとめると、以下のとおりです。
- 原点にもどる:このアイデアの何を面白いと思ったのか思い出して、元に戻してみる。
- キャラにゆだねる:「このキャラならどう行動するか?」と考えてみる。
- 批判的な目線をやめる:クリエイティブモードと批判モードを使い分ける。
- 理詰めで考えるのをやめる:ノリや勢い、直感で書くのも大切。
- 別の作品にとりかかる:つまらない話は、いくら直してもつまらない。
5つの方法を1つにまとめると、結局「書きたくないことは書かない!書きたいことを書く!」ということなのかなと思います。
ストーリー作りは、楽しんでナンボですからね。楽しんでいないとしたら、作品の楽しさを疑ったほうがいいかもしれませんね。