ストーリーの作り方

ストーリーの起承転結とは?|実はちょっと邪道!?…でも「転」は実用的!

投稿日:2015年10月16日 更新日:

日本では、ストーリーは起承転結にそって進めるのが基本だとされています。

起承転結は、実はちょっと邪道だということも、たまに言われるようです。でも、結構実用的で、すごい面もあると思います。

この記事では、ストーリー作りにおける起承転結とは何なのか、どこが邪道なのか、そしてどのように実用的なのかを、簡単にまとめたいと思います。

本来はストーリー作りと関係ない

よく知られたことですが、起承転結は本来、ストーリーの作り方とは関係ありません。元々は漢詩の構成理論ですね。

ストーリーの構成理論としては、ちょっと邪道なわけです。

漢詩の起承転結は、以下のような定義が一般的です。

第1句の起句で詩意を言い起こし、第2句の承句でそれを受け、第3句の転句で素材を転じて発展させ、第4句の結句で全体を結ぶ。

―小学館「デジタル大辞泉」(2016版)より

それが今では、なぜか文章やストーリー構成にも使われているわけです…使っているのは主に日本人だけだと思いますが。

起承転結をストーリー構成に当てはめた場合の説明は、諸説いろいろあるようです。

最も一般的と思われる、小国英雄の解説を以下に引用します。

起――とは、主人公の置かれている状態、劇の説明であり、

承――は、主人公の置かれている状態にある事件が起こり、これから段々劇が展開して行く過程であり、

転――は、一つの劇のヤマ場で結果に赴く為の転化であり、

結――は、承、即ち事件とそれによって起こって転化によって出された結果である。

―鬼頭麟兵「シナリオ作法考―その二十講」より。小国英雄の解説。元々の出典は記載なし。

シナリオ作法考―その二十講 (宝文館叢書)

なんとなく、後付けというか、一般的なストーリーの構成方法を、漢詩の起承転結にはめ込んだ感じです。

鬼頭麟兵氏は、起承転結よりも、以下のような構成が一般的であるとしています。

シナリオの場合、その構成方法として、一般的に次の五部分に分けた方法が原型とされています。

  • 発端
  • 葛藤
  • 危機
  • クライマックス
  • 結末

―鬼頭麟兵「シナリオ作法考―その二十講」より

ハリウッドの「三幕構成」も、この方法とほぼ同じですね。→詳しくは別の記事を参照:「ストーリーの作り方|「三幕構成」を使うと、みんなあなたの作品から目が離せなくなる?!

起承転結も、ほとんど同じです。

とはいえ、「転」の部分が、一般的な構成理論とはちょっと違っていて、特徴的だと思います。

起承転結の特徴は「転」

 「転」は、一般的な構成方法でいうと「危機」と「クライマックス」あたりですね。

「危機」と「クライマックス」というだけだと、「とにかく盛り上げる」という感じで、どうやって盛り上げるかは自由です。

でも「転」は、盛り上げる具体的な方法まで指定しているわけです。

つまり、盛り上げるために「話を転じなさい」ということ。元々の漢詩の理論でいうと、「話を変化させる」「話を逆にする」「話を裏返す」ということですね。

起承転結って、「転」のためにあるんじゃないかと思えるぐらい、「転」が一番の特徴で、一番実用的な部分だと思います。

「転」は実用的

主人公の心境が変わるとか、重大な決意をするとか、どんでん返しとか…「転」で盛り上げるというのは、よく使われる方法ですね。

起承転結をメインでは使わないとしても、盛り上げるためのテクニックとして、「転」だけ単品で使うのもアリかもしれません。

自分の作品が、なんとなくパッとしない話、だらだらした話、印象の薄い話になっている場合、「転」をつけてみて、話の流れや雰囲気を変えてみると、グッと話が盛り上がるかもしれませんね。

「転」が効果的な例:アニメ「のんのんびより」第1話

アニメ版「のんのんびより」1期の第1話は、効果的な「転」の良い例だと思います。

以下、一応あらすじを述べますので、ネタバレ注意です。

起:設定の説明

舞台は、全校生徒が4人しかいない「旭丘分校」。小学校5年生の女の子「一条蛍」が、東京から転校してきます。

承:田舎って変という話

蛍ちゃん目線で物語は進みます。東京と違うところが色々と描かれます。都会の人間から見ると、田舎はちょっと変わった世界で、蛍ちゃんは不思議の国のアリスのような立ち位置です。

ギャグを織り交ぜつつ、のんびりした空気で、「田舎って変」という話が進んでいきます。

転:田舎ってキレイという話

次に、みんなで桜を見に行くエピソードが入ります。ここで注目したいのは、雰囲気がガラッと変わることです。

セリフなしで、音楽だけが流れます。暗い森の隙間から、きれいな田舎の景色が見えます。そして、最後に森を抜け、明るいところに出ます。

そこにある一本の大きな桜の下で、みんなでお花見をします。

このように、「ほのぼのギャグっぽい日常系の話」→「ちょっときれいで感動するシーン」と、雰囲気をガラッと変えているわけです。

内容としても「田舎って変」→「田舎ってきれい」というように変化しています。

このように変化させることで、ストーリーを盛り上げているわけです。

「結」の解説は省略します。

のんのんびより 第1巻 [Blu-ray]

転は、雰囲気や内容を変えること

「転」では、話の雰囲気や、内容を変化させます。上手く変化させることができれば、ストーリーが盛り上がって、「クライマックス」になります。

例えば、全体的にのんびりしたストーリーなら、クライマックスはスピード感のあるシーン。

全体的に緊迫感のあるストーリーなら、クライマックスは落ち着いたシーンという具合です。

特に後者の場合は、クライマックスに落ち着いたシーンを持ってくるので、面白いと思います。起承転結の考え方がないハリウッドなどでは、こういうやり方は少ないかもしれません。

「転」でクライマックスを作るのは、万能ではありませんが、テクニックの一つとして、とても実用的だと思います。

まとめ

起承転結は、元々漢詩の構成理論ですから、ストーリーの理論としては、ちょっと邪道です。

構成を勉強するなら、前述の五段階の構成や、三幕構成から勉強したほうがいいでしょう。

でも、「転」は実用的で、他にはない特徴だと思います。

今回の参考文献と参考作品

シナリオ作法考―その二十講 (宝文館叢書)

のんのんびより 第1巻 [Blu-ray]

-ストーリーの作り方

Copyright© STOTUKU , 2017 AllRights Reserved.