デジタルイラストで線画が汚くなるのはなぜ?原因と解決策を解説!

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デジタルイラストを始めた人が陥りがちな問題として「線画が汚くなる」というものがあります。アナログではきれいに描けるのに、デジタルでは汚くなってしまうという状況です。その原因と対策をまとめました。もちろん絵が下手という原因は除外しています。

線画が汚くなる原因と解決策

ではまず線画が汚くなる原因として、よくあるものを4つ挙げ、それぞれの解決策を紹介します。自分の環境や設定などに当てはまるかどうか、確認してみてください。

原因1:手ブレしている

液タブや板タブを使って線画を描いている場合、「手ブレ」が原因で、線が震えていることが原因かもしれません。

タブレットの表面はつるつるしているので、紙に鉛筆やペンで線を引くときよりも滑りやすくなっています。そのため、紙よりも手の動きがダイレクトに伝わりやすく、ブレやすいのです。

解決策:手ブレ補正をする

手ブレ対策にはまず「手ブレ補正」の機能を使ってみましょう。

手ブレ補正をONにすると、線の震えが自動的に消されて、なめらかな線になります。どの程度なめらかにするかという、手ブレ補正の「強弱設定」も調整してみましょう。

手ブレ補正に対応しているソフトは限られます。手振れ補正のあるソフトについては記事の後半でまとめていますので、参照してください。

また「板タブ」の場合、タブレットの表面にコピー用紙などの「紙を敷いて描く」という人もいます。こうすると紙の摩擦で、アナログで絵を描くのに近い感覚で線を引きやすくなります。

原因2:画像サイズが小さい

きれいなデジタルイラストを描くための最低条件は、画像サイズが適切であることです。なるべく大きい画像サイズの方が、きれいな線を描きやすくなります。

デジタル画像は小さなドット(ピクセル)の集まりなので、サイズが小さいと当然、線も荒くなります

特に「細い線」を描きたい時は、画像サイズが小さいと致命的です。画像サイズが小さい状態で「細い線」を描くには、ペン先をかなり細く設定しないといけなくなりますが、細すぎるペン先では滑らかな線が引けません

ペン先「1px」なんて最悪ですね。小さい四角が並んでいるだけなので、必ずギザギザになります。

解決策:大きめの画像で描く

つまり細い線を引く時でも、ペン先は最低でも「3px」や「5px」など、ある程度の太さがないと、きれいな線は引けません

太いペン先でも「細い線」ということにするには、画像サイズを大きくすればいいわけです。

投稿する画像サイズの規定があるなど、縛りがある場合でも、「大きめに描いて、規定サイズに縮小する」というのが一般的です。

画像サイズを大きめにするといわれても、どのぐらいが目安なのでしょうか。絵の細かさにもよりますが、4Kの「4000 × 2000 px」もあれば十分大きいサイズです。ただし細かく描き込みたい場合は、それだけ大きくしていく必要があります。

サイズの大きい画像を扱うには、PCのスペックがある程度高くないと、重くなって描けなくなってしまいます。以下の記事で、PCのスペックについて解説していますので参考にしてください。

デジタルでマンガを描くために必要なPCスペックは?おすすめを紹介!

原因3:線が太すぎる・黒すぎる

近年のイラストの多くは、細い線画を使用しています。特にマンガ・アニメ風のデジタルイラストは、線画が細いものが多いです。

もちろん太い線のイラストもありますが、強弱の付け方などに高度なテクニックが必要なので、下手に太い線を使うと、汚くなってしまいます。つまり線を細くするだけで、きれいになるかもしれません。

また太さだけでなく「色」の問題の可能性もあります。真っ黒の線画は輪郭が際立つので、ドットのギザギザが見えやすくなりますし、そもそも目立つので、よほどうまくないと、線を汚く感じさせる原因になります。

解決策:線を細くする・黒以外にする

単純に「幅を細くする」だけでなく、「色を薄くする」というのも試してみてください。イラストのタッチに合わせて、茶色とか紺とか、真っ黒以外の色も駆使してみましょう。

デジタルソフトを使えば、真っ黒い線の上に色を重ねることもできるので、色々と線画の色を変える工夫をしてみましょう。

原因4:拡大縮小の操作をした

デザイン系の太くてくっきりした輪郭の線や、マンガ・イラストのきれいな線画の場合、「拡大縮小」によって輪郭がぼやけるという問題があります。

拡大縮小の操作をすると、周囲の色と線が溶け込むような感じで、輪郭の「くっきりさ」が失われてしまうのです。

大きな画像を縮小した場合でもこれは発生します。とはいえ、どうしても拡大縮小したいという場合もあるでしょう。前述の「大きく描いて縮小する」という処理をしたい時にも必要です。

そこで、次のような解決策があります。

解決策:ベクター形式で線を描く

「ベクター形式」で描かれた線画は、拡大縮小してもぼやけないという特徴があります。

ベクター形式で描かれた線画は、「ドットの集まり」ではなく、数式で表される「曲線」として記録されます。実際にはドットで表示されますが、PCの内部で数式を計算して描き出された「曲線」です。

そのため拡大縮小しても、その都度、再計算して線画を描き出してくれますから、輪郭がぼやけずに済むわけです。

ベクター形式を扱えるソフトは多くありますが、フリーハンドで「ペン入れ」をするようにしてベクター形式の線を描けるソフトは限られます。対応しているソフトについては、次の項目で紹介しているので参照してください。

線画をきれいに描きやすいソフト

手ブレ補正やベクター形式でのペン入れ機能があるソフトをまとめました。これらのソフトを使うことで、きれいな線画が描きやすくなるはずです。

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)

手ブレ補正
ベクター形式のペン入れ

価格:一括5,000円(税込)~

CLIP STUDIO PAINT(クリップ・スタジオ・ペイント)略して「クリスタ」は、プロも使うマンガ・イラスト用のソフトとして有名ですね。

手ブレ補正の機能があり、補正の「強さ」も調整できるようになっています。

さすがマンガ向けソフトということで、ベクターペン入れの機能が優れているのも特徴です。線の強弱や色、太さを修正するのが簡単ですし、はみ出た部分の自動修正機能まであります。

手ブレ補正とベクターペン入れがあるソフトの中で、コマ割りや吹き出し、集中線など、マンガ用の機能も揃っているのはこのソフトだけなので、マンガ用としてはこれ一択状態ですね。

SAI(サイ)

手ブレ補正
ベクター形式のペン入れ

価格:一括5,500円(税込)

SAI(サイ)も手ブレ補正とベクターペン入れの両方が使えるソフトです。

イラスト用に特化したソフトなので、コマ割りや文字を入力する機能はありません。グラデーション塗りの機能がないなど、色塗りについても必要最低限の機能に抑えられていますので、一般的なキャラクターイラスト向けのソフトといえます。

Illustrator CC(イラストレーター)

手ブレ補正
ベクター形式のペン入れ

価格:月額2,728円(税込)

Illustrator(イラストレーター)はベクター形式でイラストを描くのに特化したソフトなので、ベクターペン入れはお手のものですね。「CC」が最新版で、月額で使えます。

ただし、画像全体をベクター形式で扱うため、色の塗り方は少し特殊です。均一に塗るのは得意ですが、グラデーションやぼかしなど、色の変化がはげしい塗り方は不得意です。

Photoshop CC(フォトショップ)

手ブレ補正
ベクター形式のペン入れ ×

価格:月額1,078円~(税込)※1年更新

Photoshop CC(フォトショップ)は、画像をラスター形式で扱うソフトなので、ベクター形式でのペン入れはできません。ベクター形式も扱えないわけではありませんが、フリーハンドで、「ペン入れ」をするようにしてベクター形式の線を引くことはできません。手ブレ補正には対応。

こちらも「CC」が最新版で、「フォトプラン」というお得な月額プランがあります。ただしフォトプランは1年以内にやめると違約金が発生するので、短期間だけ使いたい場合は Illustrator CC と同じ価格の通常プランがおすすめです。

まとめ

線画が汚くなる「原因と対策」について、この記事で紹介した内容は以下のとおりです。

  • 手ブレしている
    手ブレ補正を設定する
  • 画像サイズが小さい
    大きいサイズで描く
  • 線が太すぎる・黒すぎる
    線を細くして色を薄くする
  • 拡大縮小の操作をした
    ベクター形式でペン入れをする