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感動的な泣けるストーリーを作りたい!でもどうやったらいいのかわからない!…実は泣けるシーンを作るための一般的なセオリーというものがあります。この記事では、泣けるストーリーを作るセオリーを、具体例を使って説明しています。
泣かせるための王道セオリーとは
あなたの泣いたシーンは、たいてい、登場人物も泣いていませんでしたか?実はこれが、泣ける話にするためによく使われる手法です。
「登場人物につられて泣ける」というセオリーです。そのセオリーについて、校篠剛氏は以下のように説明しています。
読者を泣かせるこつは、簡単です。主人公を泣かせればいいのです。登場人物が単に泣いているシーンを書けばいいというものではありません。読者も一緒に泣きたくなるような泣かせ方をしなくてはなりません。
「読者も一緒に泣きたくなるような泣かせ方」が何なのかは、色々な方法があると思いますが、以下の実例から考えてみましょう。
実例:ラブライブ!2期11話「私たちが決めたこと」
私が最近泣いてしまったアニメ「ラブライブ!」2期の11話「私たちが決めたこと」を例に考えてみましょう。この技術の使い方がわかる、よい例だと思います。(ネタバレあり)
注目シーン1:海辺にて
クライマックスの、海辺でのシーンについて。
海に向かって、みんなの決意したことを叫びます。「この大会がおわったらμ’sはおしまいにします!」
ここでキーとなるキャラがニコです。ニコだけは「おしまいにする」ことに納得できない。ニコと他の8人の対話という図式になっている。つまり、視聴者がニコに感情移入しながら見てしまうような図式になっています。
ここでニコは、納得できないことを主張しながら、ちょっと泣いてしまう。それを見ているだけでこっちも泣けてきます。
注目シーン2:終電に乗り遅れる?
泣かせる演出は、さらに続きます。
なぜかここで、突然「泣けるシーン」が中断します。終電に乗り遅れちゃう!ということで、穂乃果がいきなり猛ダッシュ!みんなも、つられて走ります。
でも、実際には終電までかなり余裕があります。「涙がとまらなくなっちゃいそうだったから」(涙をとめるためにウソをついた)と説明する穂乃果。その後、「証明写真でプリクラ」というエピソードにより、一同は急に楽しい雰囲気に…。
みんなで笑っていても、泣きたい気持ちが消えたわけではありません。むしろそれは蓄積されている感じです。かよちんが泣き出したのをきっかけに、みんな次々と泣き出してしまう。
最後まで涙をこらえていたニコが、最後にこらえきれなくなって、一番の大泣き。観ているほうも、大泣きです!
泣かせるためのポイント・コツ
では、ラブライブから学べるポイントをまとめます。
感情移入させた登場人物を泣かす
感情移入させなければ、「登場人物につられて泣ける」というセオリーは発動しません。
ラブライブでは、感情移入できるキャラとして、視聴者の立場に近い意見を持つ存在としてのニコを配置しています。このように、感情移入しやすいキャラ(いわゆる等身大キャラ)を加えることが重要ということですね。
つまり「特定のキャラに、視聴者を感情移入させて、そのキャラを泣かせばいい」というわけです。
これが、前述の「読者も一緒に泣きたくなるような泣かせ方」を作るための要素の一つといえるでしょう。
「大泣き」に持っていくには「タメ」が不可欠
ラブライブでは、なぜ一旦、涙が中断して「笑う」という演出をはさんだのでしょうか。これは、最後の大泣きに持っていくための「タメ」と思われます。
人間、よっぽどでないと、いきなり大泣きしたりしないものです。ちょっと気丈にふるまったり、ぼう然としたり、我慢したりしたあと、そういう糸が切れたときに大泣きするというパターンが多いと思います。
ラブライブではそういう人間のリアルな感情を再現するために、あえて大泣きの前に笑いを入れたということでしょう。
号泣の前には、「タメ」が必要だということですね。それはつまり、キャラクターにも、視聴者にも必要だということです。
「タメ」なしで大泣きされるとちょっと…
逆に、登場人物が大泣きするシーンで、「タメ」なしでいきなり大泣きすると、感情移入できないような気がします。客観的に見ちゃいそうです。
「人間そんなに急に泣くか?」という冷めた目線になるかもしれません。そうすると、泣ける話になりませんね。
まとめ
今回考えたセオリーについてまとめると、以下のとおりです。
- 特定のキャラに、視聴者を感情移入させて、そのキャラを泣かす
- 号泣の前には、「タメ」が必要。
この記事の参考資料
校篠剛「才能なんていらない!スーパー編集長のシステム小説術」(ポプラ社)