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「主人公に感情移入できるようにすべき」「感情移入できなければ面白くない」ストーリー作りでよく言われることですが、具体的にどうやったらいいのでしょうか。一般的な方法をまとめてみました。
目標・欲求をはっきりさせる(何をしたいのか)
マンガの描き方について、よくいわれるのが「主人公に目標を持たせよう」ということです。「海賊王に俺はなる!」みたいなやつですね。
とはいえ、ただ目標を立てるだけでは不十分でしょう。感情移入してもらうためには、読者、視聴者も、その目標に共感しなければなりません。
つまり…「主人公が目標を達成してほしい」と思うこと。…それが感情移入ですね。
目標設定の大切さは「三幕構成」の理論の中でもいわれていることです。その点は以下の記事にまとめています。
主人公の目標に共感させる工夫
では具体的に、主人公の目標に共感させるにはどうしたらよいのでしょうか。それは「動機をはっきりさせること」と「目標を達成した状態を見たい」と読者に思わせることの2点です。以下に解説します。
動機をはっきりさせる(なぜしたいのか)
人間、身の上話に弱いものです。主人公が、なぜその目標を持つようになったのか、経緯、理由などがわかると、なんとなく感情移入しちゃうと思います。
その点は、かとうひろし著「マンガのマンガー初心者のためのマンガの描き方ガイドーストーリー構成編」で、以下のように説明されています。
マンガのマンガ 初心者のためのマンガの描き方ガイド ストーリー構成編
「何が彼らを突き動かしているのか」という部分。つまり、動機をはっきりさせると、「共感」につながるわけですね。
目標を達成した状態を見たいと思わせる
動機がはっきりしなくても共感しちゃう場合があると思います。
例えば、ミステリーなどの場合の目標は、「謎を解く」ということ。この場合、単純に謎の答えが気になるから、「目標を達成してほしい」と共感しちゃうわけです。このように単純に気になるから共感するという場合もあるでしょう。
定義っぽくいうと「目標を達成した状態を見たいと思わせる」ということでしょうね。
主人公の目標・動機の作り方
「目標」と「動機」を、どうやって作ればいいのでしょうか?以下にまとめてみました。
元ネタをさがす
やっぱり、現実の人間が抱く欲求、目標、動機を元ネタにするのが一番でしょう。
「ありのままの自分を出したい!」みたいな、みんなが願っているけど、現実、なかなか叶えられない欲求。それを、空想の世界で叶えられる!それが物語の楽しさだと思います。いわゆる「カタルシス」ってやつですね。
たとえマニアックな欲求であろうとかまわないと思います。一部のファンにはドンピシャかもしれませんからね。
よくわからない欲求は人に聞く
都合上、自分ではよくわからない欲求を描くはめになることがあると思います。男なのに、乙女心を描くはめになるみたいな…。そういう場合は、わかりそうな人に聞くしかないでしょう。
「アナ雪」のスタッフは、ストーリーを作る上で、「姉妹」の気持ちを理解するために、女性スタッフたちを対象に調査をしたようです。ディズニー・アニメーション・スタジオのアンドリュー・ミルスタイン氏は、次のように語っています。
物語の軸となるのは「姉妹」です。私たちはこの物語に真実味を持たせるために調査団(リサーチ・グループ)をつくり上げました。といっても、皆さんが思い浮かべるような堅苦しいものではありません。
ディズニー社には、数百人単位の女性社員がいて、その多くには姉妹がいる。姉妹というのは、別に年齢も関係なければ人種も社会的背景も関係ない。どこにでもある人間関係です。そこでジェン(ジェニファー・リー監督)とクリス(クリス・バック監督)が作品をつくり上げるうえで、姉妹を持つ女性社員たちから様々な経験を聞き出し、姉妹の間に存在する相剋、冷たさ、喪失、和解、そういった諸々の感情を物語に反映していったのです。
―アンドリュー・ミルスタイン
一番の元ネタは自分
とはいえ、結局のところ、作者自身が共感しやすい話が一番ですね。
自分の現在の目標・欲求でもいいですし、幼少期の願望を元ネタにしてもいいと思います。そのまま描いたらエッセイになっちゃうので、ファンタジー世界に置き換えるなど「変換」することで物語になります。
とにかく、ストーリーを作るときは、自分をグイグイ出していくのが理想とされています。
まとめ
感情移入しやすいストーリーを作る方法をまとめると、以下のとおりです。
- 主人公の目標・欲求をはっきりさせる
- その目標・欲求に共感できるように工夫する